2. 自営業の夫が死亡した場合の妻に支給される遺族年金

死亡した夫が国民年金にのみ加入していた場合、子どもがいれば遺族基礎年金が支給されます。

支給額は、前述の要件に該当する子どもの人数に応じて次の通りです。

  • 遺族基礎年金額=81万6000円(2024年度)+子どもの加算額

加算額は、1人目と2人目の子どもは1人あたり23万4800円、3人目以降は7万8300円です。

18歳までの子どもが1人いる場合、子どもが高校を卒業するまで年間105万800円の遺族基礎年金が支給されます。

子どもと2人暮らしする場合の生活費は、遺族基礎年金だけでは賄えません。

また、子どもが高校を卒業すると遺族年金は支給停止となります。子どもの独立後に夫が死亡した場合は、遺族年金はまったく支給されません。

夫が国民年金にしか加入していない場合、遺族年金によって妻の生活が保障されるとは言い難いのが現実です。

ここまで、国民年金に加入していた夫が死亡した場合の妻の保障について解説しましたが、次章では会社員の夫が死亡した場合の保障について解説します。

遺族年金制度見直しの方向性についても紹介します。