1.1 大規模な値上げとなった品目

大規模な値上げとなったのは、ハム・ソーセージ製品といった加工食品や、PET飲料などです。

ここ最近は値上げペースが鈍化していたものの、10月に年内最大の値上げラッシュを迎えた形です。

「原材料高」が主な値上げ要因となる一方、「物流費由来」「円安由来」「人件費由来」も前年を大幅に上回る水準となっており、今後への影響も気になるところです。

現役世代にとって、今のやりくりも大変である中、「老後の備えをしましょう」と言われてもなかなか踏み出せない方も多いのではないでしょうか。

やみくもに貯蓄をすれば、今の生活を犠牲にしながら過剰な備えをしてしまうという可能性もあります。

大切なのは、現状を正しく把握して「適切に」「過不足なく」備えるという視点ではないでしょうか。

次章にて、今のシニアの生活実態を見ていきましょう。

2. 年金だけで100%生活している高齢者世帯は41.7%のみ

厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金だけで100%生活している高齢者世帯は41.7%のみとなっています。

言い換えると、年金を受給している世帯の約6割が、年金だけで生活できていないことがわかります。

公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

出所:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」

  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%:41.7%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が80%~100%未満:17.9%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満:13.9%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満:13.2%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~60%未満:9.3%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満:4.0%

「老後は悠々自適に年金暮らしを」と考えていた方は、年金受給額について不安を抱えたかもしれません。

年金額は個人差が大きいので、ねんきんネットやねんきん定期便にて確認することをおすすめします。

ここでは、年金額に少しでも興味を持ってもらえるよう、年金平均額を紹介してみたいと思います。