帝国データバンク「来年の値上げ、3 千品目突破 今年を上回るペース」によれば、主要食品メーカー195社の2025年飲食料品値上げは3933品となっており、前年同時期の24年値上げ品目見通しを上回っているとわかりました。
特に「パン」「酒類・飲料」「加工食品」などの値上げがあり、引き続き家計を圧迫することが予想されます。
終わりをみえない物価高に、今の生活だけでなく、老後の不安も増すものです。
一時期老後2000万円問題が話題になりましたが、今のシニアはどれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。
今回は70歳代に視点をあてて、その貯蓄や年金事情を見ていきます。
1. 70歳代・二人以上世帯で「貯蓄2000万円以上」の割合は?
今回は70歳代・二人以上世帯の貯蓄について、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」をもとにの貯蓄額と割合を見ていきましょう。
1.1 70歳代・二人以上世帯「貯蓄2000万円以上」の割合
- 27.1%
1.2 70歳代・二人以上世帯「貯蓄額」平均と中央値
- 平均:1757万円
- 中央値:700万円
1.3 70歳代・二人以上世帯「貯蓄額一覧表」(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有:19.2%
- 100万円未満:5.6%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:4.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:5.8%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:7.4%
- 3000万円以上:19.7%
70歳代・二人以上世帯(金融資産を保有していない世帯を含む)の貯蓄額は平均1757万円。
ただし、貯蓄が1500万円~2000万円未満の割合は6.6%しかなく、平均貯蓄額と同程度の貯蓄を保有している世帯が少ないことがわかります。その理由は、平均貯蓄額に「富裕層世帯の貯蓄分も含まれている」からです。
より実態に近いとされる「中央値は700万円」で、平均貯蓄額と比べ1057万円も少なくなっています。
また、70歳代・二人以上世帯(金融資産を保有していない世帯を含む)は貯蓄額が二極化しており、「貯蓄3000万円以上」の割合は19.7%となっている一方で、「貯蓄ゼロ」の割合も19.2%。それぞれ同程度存在します。
では、老後の収入源の1つとなる公的年金(国民年金・厚生年金)はどのくらい受給できるのでしょうか。次章で詳しく見ていきます。