4. 国民年金の平均年金月額はいくら?
国民年金についても見てみましょう。
4.1 国民年金(老齢基礎年金)の「平均年金月額」
〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
全体と男女で平均月額に差が生じていた厚生年金とは異なり、国民年金の平均月額は全体・男女ともに5万円台となっています。
厚生年金の受給額は現役時代の収入や厚生年金の加入期間に応じて異なりますが、国民年金の保険料は全員一律(※)。保険料の納付月数に応じて受給額が決まるため、厚生年金ほど大きな個人差は生じにくい仕組みになっています。
ここまで、厚生年金・国民年金の平均年金月額データを確認してきました。
実際の受給額は、現役時代の年金加入状況により人それぞれです。ご自身の年金見込み額は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認するとよいでしょう。
※国民年金保険料:毎年度改定され、2024年度は月額1万6980円。
5. 現役世代は「公的年金に頼る割合」が少ない?
ここまで、シニア世代が受給している厚生年金や国民年金について見てきました。
次は、いまの現役世代が「公的年金」に対してどのような意識を持っているかを、世論調査の結果からのぞいてみましょう。
5.1 老後の生活設計の中での公的年金の位置づけ
内閣府の「生活設計と年金に関する世論調査(令和5年11月調査)」では、「老後の生活設計での公的年金の位置づけ」に関する設問があります。その回答結果を見てみましょう。
「老後の生活設計において、どの程度公的年金に頼るか」その意識は、世代によってだいぶ異なります。「全面的に公的年金に頼る」割合は、30・40歳代では10%台、50・60歳代では20%台でしたが、70歳以上では43.2%まで上がります。
一方、「公的年金を中心とし、これに個人年金や貯蓄などを組み合わる」と考える現役世代の割合を見ると、30歳代の54.7%、40歳代の60.3%、50歳代の58.4%となっています。
少子高齢化が進み、将来の年金に対する漠然とした不安を抱える人もいるでしょう。また、止まらぬ物価高が世代を超えた世帯の家計を圧迫するこんにち。
働き盛りの現役世代たちの多くが、いつかやってくる老後の生活を見据えたお金の心づもりをしていることが垣間見える結果となりました。
日々の家計管理を丁寧に行う、年金見込み額を把握するなどできることから少しずつ将来に向けた準備を進めていけるとよいですね。