4. FPからの提案

超低金利が続くいま、銀行などの預貯金につく利息はごくわずか。残念ながらお金は増えません。資産運用にはリスクがありますが、分散投資を心掛けることでリスクを軽減しながらリターンの安定に繋げることも可能です。

預貯金だけでは準備できないまとまった資金を効率よく作るためには、資産運用は有益な方法の一つと言えるでしょう。

NISA制度の「つみたて投資枠」やiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)といった税制優遇制度の活用でを検討するのも一案です。

ひとことで「資産運用」と言っても、その手法は様々。最適な資産づくりのスタイルは人それぞれです。まずは情報収集からスタートしてみましょう。

5. まとめにかえて

今回は60歳代・70歳代の「二人以上世帯」の貯蓄額データを見ながら、平均・中央値、さらには貯蓄3000万円超世帯の割合などを確認しました。

同じ世代どうしでも、「貯蓄が多い世帯」と「貯蓄が少ない世帯」の二極化が見られたうえ、貯蓄3000万円を保有するシニア世帯は多数派でないことも読み取れました。

「人生100年時代」と呼ばれる長寿時代に老後を過ごす、働き盛り世代の私たち。リタイア後に向けた資産づくりは、祖父母や親の世代よりも入念な準備が必要となりそうです。

長く働き続けるスキルや気力、そして資産寿命と健康寿命をセットで延ばす視点が求められていると言えるでしょう。

5.1 【参考】貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む)

60歳代・二人以上世帯

  • 金融資産非保有:20.8%
  • 100万円未満:6.1%
  • 100~200万円未満:5.5%
  • 200~300万円未満:3.3%
  • 300~400万円未満:3.2%
  • 400~500万円未満:3.4%
  • 500~700万円未満:5.3%
  • 700~1000万円未満:6.1%
  • 1000~1500万円未満:8.6%
  • 1500~2000万円未満:5.7%
  • 2000~3000万円未満:8.8%
  • 3000万円以上:20.3%

70歳代・二人以上世帯

  • 金融資産非保有:18.7%
  • 100万円未満:5.9%
  • 100~200万円未満:4.1%
  • 200~300万円未満:2.8%
  • 300~400万円未満:4.0%
  • 400~500万円未満:2.2%
  • 500~700万円未満:7.5%
  • 700~1000万円未満:6.5%
  • 1000~1500万円未満:10.3%
  • 1500~2000万円未満:7.1%
  • 2000~3000万円未満:10.0%
  • 3000万円以上:18.3%

参考資料