4. 厚生年金をひとりで「月額25万円超」受け取る人は全体の約1.7%

厚生年金をひとりで月額25万円超受け取ることができる人は、全体と男女別で以下のとおりでした。

  • 全体:1.65%(月額25万円超 26万7036人÷全体1618万445人)
  • 男性:2.43%(月額25万円超 26万2728人÷全体1082万8213人)
  • 女性:0.08%(月額25万円超 4308人÷全体535万2232人)

現役時代の働きぶりが年金額に影響する厚生年金ですが、月額25万円超を受け取る人は、ほんのひと握りです。

老後をおひとりさまで迎える人は、月額25万円に満たない年金収入となる人がほとんどです。夫婦2人であれば、配偶者の年金と合わせると月額25万円ほどになる世帯もあるかもしれません。

月額25万円を目安にシニアの年金事情を眺めてきましたが、本記事で確認した年金額はすべて「額面」となりますのでご留意ください。

月額25万円であれば、税金や社会保険料などが天引きされ、手取り額は20万円程度となるでしょう。

公的年金による収入だけで、悠々自適な老後生活を送ることは難しいと考えるのが妥当かもしれません。

5. 年金だけに頼れる世帯はごくわずか。老後に向けた資産形成は必須

年金額は個々の状況により異なりますので、まずは「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で将来の見込額を把握してみましょう。

老後は生活費だけでなく、医療費や介護費用、自宅のメンテナンスなどの支出も発生することを考慮しておかなければいけません。

年金収入にプラスして収入や取り崩し可能な資産があれば安心ですね。

コツコツお金を貯めることと並行して、お金を増やす工夫を取り入れてみるのも良いでしょう。

「お金を増やす=リスクを伴う」ことになりますが、いまはさまざまな商品があり、リスクや期待リターンの大小もいろいろあります。

ご自身に合う方法を見つけて、老後資金を効率良く準備していきましょう。

参考資料

川村 哲之