過去の同月に公開された記事をプレイバック!もう一度読み直したい、「編集部セレクション」をお届けします。 (初公開日:2023年9月21日) |
公益財団法人 生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」によると、夫婦2人で老後生活を送る上で生活費は最低いくら必要と考えるかという設問に対し、「20万円~25万円未満」と答えた方が3割弱と最多でした。
おひとりさま世帯であれば毎月25万円もあれば、ゆとりある生活を過ごせるかもしれません。
では、ひとりで月額25万円以上の年金を受け取る人はどれほどいるのでしょうか。
本記事では、日本の公的年金制度について確認した後に、現在のシニアの年金事情を深掘りしていきます
【注目記事】岸田総理は年金生活者へ追加給付金を検討【老齢年金一覧表】60歳代・70歳代・80歳代「国民年金&厚生年金」の平均月額はいくら?
1. 日本の公的年金制度「厚生年金・国民年金」は2階建て
日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金から成り立つ「2階建て」構造です。
現役時代に加入する年金の種類が「国民年金」か「厚生年金」かで、老後に受け取る年金額が大きく異なります。
長い老後生活、終身で受け取ることができる大切な収入となりますので、自分がどちらに該当するのか、そしてどのような制度なのかをここで確認しておきましょう。
1.1 国民年金:1階
「国民年金」は、原則、日本に住む20歳以上60歳未満の方が加入対象となる年金です。
学生であっても20歳になると国民年金に自動的に加入することになります。
国民年金は、全員一律となる年金保険料を40年間支払えば、老後に満額を受給することができる仕組みです。年金保険料は年度ごとに見直しが行われるため、国民年金の加入開始時期によって年金額に差異が生じます。
なお、国民年金の第2号被保険者に扶養される第3号被保険者は、個人で保険料を支払う必要はありません。
1.2 厚生年金:2階
「厚生年金」は、主に会社員や公務員などが加入対象となる年金です。
1階部分の国民年金に上乗せして加入する仕組みで、老後は国民年金部分を含む厚生年金を受け取ります。
厚生年金の保険料は、現役時代の毎月の給与や賞与などの報酬によって決定するため、人によって異なります。
老後に受け取る年金額は、この保険料と年金加入期間によって計算されますので、年収と年金加入期間に比例して年金額も引き上げられていく仕組みです。