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(初公開日:2024年8月28日)

老後、あなたはどのような生活を送りたいですか?

筆者は個人向け資産運用のサポート業務に従事していますが、相談に来られた方に「老後をイメージしてください」とお願いをすると、旅行を楽しんだり、趣味に没頭したり、あるいは孫との時間を大切にしたり…と、このような計画を持っている方が多いです。

そんな理想の老後を実現するためには、十分な貯蓄が不可欠です。

定年退職後も、「今と同じような生活水準を維持したい」「理想の老後を過ごしたい」。そんな願いを叶えるため、多くの人が頼りにしているのが厚生年金(厚生年金保険)です。

しかし、実際のところ、厚生年金で月15万円以上の収入を得ている人は、全体のどのくらいの割合を占めているのでしょうか。

当記事では、厚生年金の受給実態と、月15万円以上もらえている層の特徴について詳しく解説します。

また、年金が少ない人に向けた「年金生活者支援給付金」の対象者や手続きについても、一緒に確認していきたいと思います。

【注目記事】【低所得者や年金世帯】2024年秋に追加給付金を検討へ。3万円の「高齢者向け給付金」が支給されたことも

1. 厚生年金と国民年金のしくみとは

そもそも公的年金には厚生年金と国民年金があり、2階部分の厚生年金に加入している方は、「月額15万円」の年金を受け取れる可能性があります。

一方、1階部分の国民年金しか加入していない人は、「月額15万円」の年金をもらうのは難しいでしょう。

そもそも国民年金は、20歳以上60歳未満のすべての人が原則として加入します。

保険料は一律で、40年間未納なく保険料を納めれば老齢基礎年金を満額受け取ることが可能です。満額といっても2024年度の水準で月額6万8000円なので、付加保険料を支払っても15万円に増やすのは無理であることがわかります。

参考までに、国民年金加入者は第1号被保険者~第3号被保険者まであり、国民年金保険料を単体で納める必要があるのは第1号被保険者のみとなります。

  • 第1号被保険者:学生や自営業、無職など
  • 第2号被保険者:会社員や公務員など
  • 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者

このうち、第2号被保険者が国民年金に上乗せして厚生年金に加入します。

厚生年金の場合、現役時の「加入期間や年収に応じて将来受け取れる厚生年金の受給額が決まります。

では、月額15万円以上となる厚生年金保険の受給権者はどれほどいるのでしょうか。2022年度末時点のデータから見ていきましょう。