近年、物価上昇が続くなかで、年金受給者の生活費負担が増えてきています。そうした背景から、低年金世帯を支援するために「年金生活者支援給付金制度」が導入されています。
この制度は、2019年から継続的に実施されており、公的年金に一定額を上乗せして支給する仕組みになっています。
対象となる方には、毎年9月頃に申請書類が送付され、手続きすることで10月分の年金(12月支給分)から上乗せの給付が受けられます。この支給額は人によって異なりますが、平均的な支給額を知っておくことは、生活設計の一助となるでしょう。
この記事では、年金生活者支援給付金制度の仕組みと支給額の目安を解説しながら、将来の備えについても考えていきます。
1. 「年金生活者支援給付金」の対象者はどんな人?
年金生活者支援給付金の対象者は、下記の条件を満たす方となっています。
1.1 「老齢年金生活者支援給付金」の対象者
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
1.2 「障害年金生活者支援給付金」の対象者
- 障害基礎年金の受給者
- 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下
※1 障害年金等の非課税収入は、年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額
1.3 「遺族年金生活者支援給付金」の対象者
- 遺族基礎年金の受給者
- 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下
※1 遺族年金等の非課税収入は、年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額