年金生活者支援給付金は、消費税増税により増えた税収を活用して、年金受給者を支援する給付制度です。
足元で物価上昇が進むなか、充分な年金支給を受けられずに生活に苦しむ高齢者も少なくありません。
今回の記事では、年金生活者支援給付金の制度概要や支給額についてまとめました。
1. 年金生活者支援給付金の制度概要
まず、年金生活者支援給付金の支給対象者はつぎの通りです。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である。
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税である。
- 前年の年金収入金額とその他の所得の合計が87万8900円以下である。
給付額はつぎの数式で決められます。
(1)保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5310円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月
(2)保険料免除期間に基づく額(月額) = 1万1333円 × 保険料免除期間 / 被保険者月数480月
老齢年金生活者支援給付金の給付額例として、昭和31年4月2日以後生まれの方で納付済月数が240カ月、全額免除月数が60カ月の場合、月額で4072円が支給されます。
ただし基準額はあるものの、実際の支給額は個人差があるので注意しましょう。
計算結果に50銭未満の端数が生じたときは切り捨てて、50銭以上1円未満の端数が生じたときは1円に切り上げて計算します。
なお、支給額は給付額は、毎年度の物価変動を踏まえて改訂します。
改定値は「年金生活者支援給付金支給金額改定通知書」にて通知されます。
これは、この後紹介する障害年金生活者支援給付金・遺族年金生活者支援給付金も同様です。