2024年9月13日、「高齢社会対策大綱」が閣議決定されました。大綱には「個人型確定拠出年金(iDeCo)
における加入可能年齢の引上げのみならず、拠出限度額及び受給開始年齢の上限引上げについて検討」することが明記されました。
筆者は証券会社、生命保険会社で働いていた過去がありますが、先輩社員が企業型の確定拠出年金(企業型DC)に拠出をしていて、お金がどれくらい貯まっているかを確認していたタイミングがありました。
運用商品は自分自身で選択して運用していく仕組みになりますが、運用商品の選定によって二人の先輩社員の退職金に大きな差がついていたのは印象的でした。
受け取れる年金額によっては、65歳を超えても再雇用で働くという方も多かった印象もあります。
「人生100年時代」という言葉が話題にあがっていたように、平均寿命は上昇傾向にあります。
特に、私たち日本人は世界でも長寿国として注目されています。
長い老後を安心して生活するためには、働く期間を延ばして貯蓄を増やすという考えも一般的になっていますね。
老後資金に不安を抱いているシニア世代の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、実際に年金を受け取っている65歳以上の無職夫婦世帯の貯蓄事情とシニア世代の家計収支をチェックしていきます。
1. 【65歳以上】無職夫婦世帯「貯蓄額」平均はどのくらい?
65歳以上の無職夫婦世帯の平均貯蓄額についてみていきましょう。
総務省のデータによると、2023年の平均貯蓄額は2504万円です。
平均貯蓄額の推移は以下の通りです。
1.1 2018年から2023年までの平均貯蓄額の推移
- 2018年:2233万円
- 2019年:2218万円
- 2020年:2292万円
- 2021年:2342万円
- 2022年:2359万円
- 2023年:2504万円
過去を振り返ると、2018年から2020年までは2200万円台をキープしていたのが、2021年には2300万円台にアップ、そして2023年には2500万円を突破しました。
年金制度が今後どうなるかなど、未来については不安に考えている人も多いのか、貯蓄への意識が高い人が増えているのかもしれません。
では、銀行預金以外での資産の内訳を見ていきましょう。
1.2 保有資産の内訳
合計:2504万円
- 有価証券:480万円
- 生命保険など:413万円
- 定期性預貯金:846万円
- 通貨性預貯金:754万円
- 金融機関外:11万円
保有資産の合計は2504万円。
有価証券が480万円で、前年比+80万円と増加幅が大きくなっています。
また、定期性預貯金は846万円(前年比▲19万円)で減少しています。
最近では、つみたてNISAやiDeCoも普及してきて、貯蓄から投資へのシフトも進んでいるのかもしれません。
次は、65歳以上の「働いている世帯」の貯蓄額についても見ていきます。