4. 年金を20万円に増やす方法とは?繰下げ受給の活用も

国民年金と厚生年金「月20万円以上」を受け取っている人の割合は、全体の1割程度となっており、年金で20万円を受け取れるハードルの高さがうかがえます。

実際に、国民年金と厚生年金で「月20万円」を受け取る場合、国民年金の保険料を未納なく納めていることを前提として、40年間の平均年収が「約720万円」であることが条件となります。

これは、40年間のうちに「一定期間が年収720万円になれば良い」というわけではなく、40年間継続して約720万円の年収を維持し続ける必要があるため、非常に高いハードルといえるでしょう。

しかし、国の制度をうまく活用すれば、将来の年金額を増やすことは可能です。

年金を増やす方法はいくつかありますが、そのうちの一つである「繰下げ受給」は、国民年金と厚生年金のどちらを受給する場合でも活用でき、年金額を効果的に増やすことができます。

繰下げ受給の仕組みについて確認していきましょう。

4.1 年金の繰下げ受給とは?

繰下げ受給とは、66歳〜75歳までの間に、年金の受給開始年齢を繰り下げる制度を指します。

受給開始年齢を遅らせることで、受け取れる年金額を最大で84%も増額することができます。

増額率は「繰り下げた月数×0.7%」で、その増額率は生涯変わることはありません。

繰下げ増額率早見表

繰下げ増額率早見表

出所:日本年金機構「年金の繰下げ受給」