「老後の生活」に漠然とした不安を抱えている方は多くいるでしょう。FPである筆者も。「老後の生活が不安でいっぱいです」という相談をよくうけます。

少子高齢化の影響を受け、これからの年金制度はどうなっていくのか、物価上昇はどこまで続くのか、また、退職年齢が60歳から65歳と少しずつ延びている中、何歳まで働けばいいのか…不安ごとはたくさんあります。

今回は、そんな老後生活を少しでも助けてくれる「年金」にフォーカスを当てていきます。

なかでも、年金収入の低い人がもらえる「年金生活者支援給付金」は押さえておきましょう。

1. 「生活が苦しい」高齢者世帯の約59%に

厚生労働省の2023年時点の生活意識の調査によると、生活が「大変苦しい」もしくは「やや苦しい」と答えた高齢者世帯は、約59%にのぼります。

【写真1枚目/全5枚】「大変苦しい」もしくは「やや苦しい」と答えた割合/次ページ以降では政府からの支援金情報も掲載

「大変苦しい」もしくは「やや苦しい」と答えた割合グラフ

出所:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」

1.1 全世帯の結果

  • 大変苦しい:26.5%(前回20.2%)
  • やや苦しい:33.1%(前回31.0%)
  • 普通:35.8%(前回42.1%)
  • ややゆとりがある:3.9%(前回5.5%)
  • 大変ゆとりがある:0.7%(前回1.1%)

1.2 高齢者世帯の結果

  • 大変苦しい:26.4%(前回18.1%)
  • やや苦しい:32.6%(前回30.2%)
  • 普通:36.7%(前回45.1%)
  • ややゆとりがある:3.9%(前回2.5%)
  • 大変ゆとりがある:0.4%(前回0.8%)

この1年で、「生活が苦しい」という世帯がおよそ10%も増えており、物価の高騰影響がうかがえます。

現役世代も同様に生活苦を抱えていますが、副業や転職で収入をあげる選択肢はあります。一方、年金生活に入った世帯にとっては、生活水準を保つことが一層難しいと予想されます。

物価高による影響が、深刻化していると言えるでしょう。

では、平均的な年金はいくらぐらいなのでしょうか。次の章で、年金の平均受給額についてみていきます。