一般的に、老後生活における収入の柱は公的年金となります。

厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢年金の平均月額は「国民年金5万6316円」「厚生年金14万3973円」です。

公的年金だけで生活費をカバーできない場合は、その他の収入を得たり、貯蓄を取り崩したりしながら暮らすことになります。

本記事では、高齢者世帯の住民税非課税世帯の割合が高い傾向にあるという現状を鑑み、住民税非課税世帯となる要件や年収目安について確認していきます。

1. 65歳以上の「住民税非課税世帯」は38.1%

厚生労働省「令和5年 国民生活基礎調査」より、年代別に住民税非課税世帯の割合を見ていきましょう。

【写真全4枚】1枚目/年代別:住民税非課税世帯の割合、2枚目/大阪市における「住民税非課税世帯」に該当する年収目安

年代別:住民税非課税世帯の割合

出所:厚生労働省「令和5年 国民生活基礎調査」をもとにLIMO編集部作成

  • 29歳以下:32.7%
  • 30歳代:11.9%
  • 40歳代:10.0%
  • 50歳代:13.5%
  • 60歳代:21.6%
  • 70歳代:35.8%
  • 80歳代:52.5%
  • 65歳以上:38.1%
  • 75歳以上:49.0%

上記のとおり、収入が安定しづらい29歳以下、そしてリタイアして年金暮らしが始まると考えられる65歳以上の住民税非課税世帯の割合が高いことがわかります。

住民税非課税世帯とは、「住民税」が「非課税」になる世帯を指しますが、どういう要件で住民税が非課税になるのか。次章で解説していきます。