5. まとめにかえて
ここまで、シニア世代の年金事情を見ていきました。
年金だけでは足りないと感じた方は、できるだけ早く対策を行っていくことが大切です。なぜかというと、退職まで時間があるほど毎月の貯蓄額が少なく済み、無理なく続けられるからです。
例えば65歳までに1000万円貯めると決めた場合、年齢別に毎月必要な貯蓄額を比べてみると以下のような差が出てきます。
- 20歳 毎月約1万8500円
- 30歳 毎月約2万3800円
- 40歳 毎月約3万3300円
- 50歳 毎月約5万5500円
- 60歳 毎月約16万7000円
20歳と比べて、60歳の毎月の必要貯蓄額は約9倍になります。
また、資産運用を取り入れる場合、長期で行っていく方が効果も大きくなります。
例えば1000万円を毎年4%(単利)で増やしていった場合を見ていきます。
- 10年後 1400万円(+400万円)
- 20年後 1800万円(+800万円)
- 30年後 2200万円(+1200万円)
- 40年後 2600万円(+1600万円)
このように、1000万円を預けた年数によって利息の大きさも変わっていきます。
単利の例で比べましたが、増えた利息を元本に組み入れていく複利で増やしていけば、効率よく雪だるまを転がすように資産を大きくしていくことができます。
資産運用の手段は、大きなお金を一括で運用するものやつみたてでコツコツと増やしていくものがあります。
どんな方法が自身にあっているか、この機会に調べてみてはいかかでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」
宗形 佑香里