10月は年金支給月です。2ヵ月に1度の年金を心待ちにしているシニアもいることでしょう。
現代日本では「高齢化社会」「人生100年時代」による医療や介護の必要性が増しています。
現代では、老後の生活費用だけでなく医療費や介護費を備えなければいけません。
安心できる楽しい第二の人生を送るために、老後に受け取れる年金だけでなく、計画的な資金準備が必要となります。
本記事では、実際に年金を受け取っている65歳以上の無職世帯の貯蓄事情とシニア世代の家計収支をチェックしていきます。
1. 65歳以上「無職夫婦世帯」の平均貯蓄額はいくら?
総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、65歳以上・無職夫婦世帯の「平均貯蓄額は2504万円」でした。
なお、2018年~2023年における「平均貯蓄額の推移」は以下のとおりです。
1.1 平均貯蓄額の推移|2018年~2023年
- 2018年:2233万円
- 2019年:2218万円
- 2020年:2292万円
- 2021年:2342万円
- 2022年:2359万円
- 2023年:2504万円
2018年から2020年まで、65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額は2200万円台でした。
平均貯蓄額は増加傾向にあり、2021年からは2300万円台、2023年には2500万円台となっています。
2018年~2023年の5年間で、65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額は271万円増えています。
さて、ひとことで「貯蓄」といえど、預貯金の他にもいくつかの形態があります。
次章では「保有資産の内訳」すなわち、貯蓄の中身についてのぞいてみましょう。
1.2 保有資産の内訳
合計:2504万円
- 有価証券:480万円
- 生命保険など:413万円
- 定期性預貯金:846万円
- 通貨性預貯金:754万円
- 金融機関外:11万円
保有資産の合計は2504万円です。
内訳として、有価証券は480万円で、前年比+80万円と大きく増加しています。
定期性預貯金は846万円(前年比▲19万円)で減少しました。
長らく続く物価高と低金利により、預貯金のみでは大きく資産を増やすことは難しいとされています。
それを踏まえたうえで、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)など、税法上の優遇がある制度の認知度が上がったことで、貯蓄から投資への動きは今後も加速していくと考えられます。
ここまで65歳以上・無職世帯の貯蓄額を紹介しましたが、次章では65歳以上の「勤労世帯も含む」世帯の貯蓄額を見ていきます。