老後2000万円問題や近年続く物価高の影響から、以前よりも「老後資金の準備」の意識が強まっています。
「老後に向けてそろそろ貯蓄をしなければ」と思っている人もいるかもしれませんが、自分の年代でどのくらい貯蓄していれば普通なのか、あまり知る機会は少ないでしょう。
そこで本記事では、30歳代~60歳代の平均貯蓄額について世帯別に紹介していきます。
30歳代~60歳代「貯蓄ゼロ・貯蓄2000万円以上」の割合も比較しているので、あわせて参考にしてください。
1. 30歳代〜60歳代の「平均貯蓄額」を確認
まずは、金融広報中央委員会の資料を参考に30歳代〜60歳代の「平均貯蓄額」を、世帯別に確認していきましょう。
1.1 【単身世帯】30歳代〜60歳代の「平均貯蓄額」
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によると、単身世帯の各年代の平均貯蓄額は下記のとおりです。
【単身世帯 30歳代〜60歳代の平均貯蓄額一覧】
- 30歳代:平均値594万円・中央値100万円
- 40歳代:平均値559万円・中央値47万円
- 50歳代:平均値1391万円・中央値80万円
- 60歳代:平均値1468万円・中央値210万円
平均値をみると、40歳代で若干の減少は見られるものの、年齢が上がるにつれて貯蓄額も増加しており、50歳代で1000万円を超えています。
平均値のみを見ると「年齢を重ねれば自然と貯蓄が増えていく」と思うかもしれませんが、平均値は極端に大きい値に影響されやすいため、必ずしも実態を反映しているとは言えません。
一方で中央値は、数字を順に並べた時のちょうど真ん中にある値を指しているため、平均値よりも実態に近い貯蓄額と言えるでしょう。
単身世帯の貯蓄額の中央値を見ると、どの年代も1000万円には程遠く、老後生活を目前に控えた60歳代でさえ210万円にとどまっています。
また、平均値と中央値の貯蓄額には大きな乖離があり、各年代で顕著な「貯蓄格差」があることがみてとれます。
では、二人以上世帯(夫婦世帯)の場合はどうでしょうか。