日本の高齢化が進む中、日本の65歳以上の人口は総人口の約30%を占め、その中でも70歳代は大きな割合を占めています。

この年代は、戦後の高度経済成長期を経験し、バブル経済とその崩壊を乗り越えてきた世代。しかし、近年の経済情勢の変化や物価上昇などの影響により、シニア世代の経済状況は大きく変化してきています。

金融広報中央委員会の世論調査(※)によると、70歳代二人以上世帯の平均貯蓄額は1757万円。しかし、実はその分布は二極化しており、将来への不安を抱えている方も少なくありません。

2024年6月には岸田首相が会見で、秋をメドに年金生活世帯や低所得者世帯を対象とする追加給付金の策定について言及したことが記憶に新しい方もいるでしょう。

【写真1枚目】首相官邸ホームページより”物価高から守る「二段構えの対応」”

更なる経済政策

出所:首相官邸「岸田内閣総理大臣記者会見」(2024年6月21日)

ファイナンシャルアドバイザーである筆者も、70歳代の方からのご相談を受けることが多々あります。「退職金と自分の貯蓄でなんとかやりくりしているが、子どもの援助がないと厳しい時もある」「年金だけでは足りないので、週3日ほど、パートで働いている」などのお悩みを聞くことも多く、統計だけでは見えない現実もあるようです。

本記事では「令和の年金エイジ」である70歳代のお金事情にフォーカス。貯蓄額、年金受給額、そして日々の生活費の現状を詳しく見ていきます。

※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」