文部科学省の「令和5年度学校基本調査」によると、2023年3月の高校卒業者の進路進学において大学進学率が過去最高となる57.7%を記録したことが分かりました。
少子化が加速する中、2000年代に私立大学が増えたことも影響し「全入時代」とも言われるようになっており、今の子ども達にとって大学進学はもはやスタンダードになりつつあると言っていいでしょう。
しかし、一口に大学と言っても倍率が低く入学するのが比較的簡単な大学と、高い学力を求められたり倍率が高く合格するためには塾通いが必須という大学があります。
また、大学進学をせずに専門学校を選択する子や就職する子もいます。
高校卒業後の進路進学は子どもの就職にも影響する人生の大きな分岐点になるため、家庭でしっかり話をして決めていくことになりますが、子どもの進路進学に親の学歴が影響すると言われています。
そこで今回は親の学歴が子どもにどのような影響を及ぼすか考えていきます。
1. 【教育格差】親の学歴と学力テストの正答率の関係
保護者の最終学歴が高いほど子供の学力が高い傾向が見られる。
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出所:国立大学法人お茶の水女子大学 平成29年度「学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究」「保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究」(平成30年3月30日公表)
文部科学省2017年度の「全国学力・学習状況調査」の一環として無作為に抽出された公立学校における本体調査を受けた児童生徒の保護者のアンケート調査を行いました。
調査を踏まえて家庭状況等が児童生徒の学力等と何らかの関係があるのか分析した結果、親の学歴と子どものテスト結果に関係性が見られることが分かりました。次でご紹介しましょう。