2023年の厚生労働省の調査によると、年金のみで生活している老後世帯はおよそ4割に留まっています。

最新データにあたる、2022年時点での厚生年金の平均受給額は約14万円、国民年金は約5万円です。また、老後世帯の貯蓄額は2023年時点で平均2462万円となっています。

この記事では現代シニアの生活をデータで見ながら、最新の年金受給額や貯蓄事情などを解説していきます。

1. 年金だけで生活している老後世帯は約4割

厚生労働省の2023年の「各種世帯の所得等の状況 」によると、各世帯の収入のうち、年金の占める割合の分布はつぎのとおりです。

【写真全5枚】年金だけで生活しているシニアは何パーセント?2枚目は生活が苦しいと答えたシニアの割合をグラフで紹介

公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

出所:厚生労働省「各種世帯の所得等の状況

  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯:41.7%
  • 80~100%未満の世帯:17.9%
  • 60~80%未満の世帯:13.9%
  • 40~60%未満の世帯:13.2%
  • 20~40%未満の世帯:9.3%
  • 20%未満の世帯:4.0%

こちらの調査によると年金の収入のみで暮らしている方、すなわち「公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯」は41.7%に留まります。裏を返すと、それ以外のおよそ60%弱の世帯は、年金以外の収入にも頼りながら生活している事を意味するのです。

また、同じ統計の次のデータを見てみると「生活が苦しい」と感じている高齢者が59%の過半数となっています。

各種世帯の生活意識

各種世帯の生活意識

出所:厚生労働省「各種世帯の所得等の状況

年金以外の所得を得ている理由は世帯により異なりますが、現状では約6割の人が年金以外の所得があります。

内閣府「令和5年版高齢社会白書」によると、2022年の労働力人口は、6902万人となっており、労働力人口のうち65~69歳の者は395万人、70歳以上の者は532万人となっています。

労働力人口総数に占める65歳以上の者の割合は13.4%と長期的に上昇傾向にあり、今後も年金以外の収入を得て生活するシニアは増加していくでしょう。

少子高齢化で物価上昇が進む日本では、生活するために働くしかないというシニアも一定数いるのかもしれません。

次章では現代シニアの貴重な収入源となる年金受給額について見ていきます。