3. 65歳以上の世帯の貯蓄平均値は2462万円

統計局が調査する家計調査報告によると、2023年の65歳以上(二人以上)の世帯の平均貯蓄額は2462万円です。なお、平均値は一部の極端に貯蓄が多い世帯が値を引き上げている側面があります。

順位付けしたときのちょうど真ん中にあたる世帯の貯蓄額である「中央値」は1604万円です。

世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高階級別世帯分布 (二人以上の世帯)-2023年-

世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高階級別世帯分布 (二人以上の世帯)-2023年-

出所:統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2023年(令和5年)平均結果の概要(二人以上の世帯)

こちらの統計によると、ゆとりある老後生活を送るための一つの目処である2000万円以上の貯蓄を確保している世帯は全体のおよそ4割です。

これらの層は、たとえ年金だけでは家計が赤字になるとしても、一定程度までは貯蓄を取り崩しながら生活ができるため、年金の所得だけで暮らしていく余地があるといえるでしょう。

一方で、2割強の世帯は貯蓄が500万円以下となっています。こうした層については、老後も仕事を継続して収入を増やすか、節約して年金収入だけでやりくりする必要があるでしょう。

4. 年金だけでは生活できないリスクを念頭に対策を進めよう

現在のシニア世帯は、過半数が年金だけでは生活できていない状況です。「所得が年金収入のみ」と回答した世帯も、一定数は貯蓄を取り崩しながら生活していると考えられます。65歳以上世帯の平均並である2000万円超の貯蓄があれば、年金以外の収入がなくともゆとりのある生活を送れるでしょう。

老後に働かずにゆとりある老後生活を過ごせるようにするためには、若いうちから資産運用や貯蓄を積極的に行い、資産を増やしていくことが大切です。まずは、老後世帯の平均並の2000万円超を目処として、貯蓄を進めていきましょう。

参考資料

中本 智恵