2. 年金にひそむ「3つの落とし穴」とは?
公的年金の仕組みをおさらいしたところで、いよいよ年金の落とし穴について解説します。
ここで挙げる落とし穴は3つです。一つずつ紹介します。
2.1 年金の落とし穴①額面通り振り込まれない
年金は額面通り振り込まれるわけではありません。
会社員の給料から保険料が差し引かれるように、年金からもそういったお金が天引きされるのです。
どういったお金が天引きされるのか見てみましょう。
国民健康保険料
天引きされるお金と言えば、健康保険料を真っ先に思い浮かべる方が多いかもしれません。
年金からも健康保険料は差し引かれており、その一つが国民健康保険料です。
基本的に、65歳以上75歳未満の方(後期高齢者医療制度に該当する方を除く)で受給額が18万円の場合に差し引かれます。
後期高齢者医療保険料
年金から差し引かれる健康保険料として、後期高齢者医療保険料も挙げられます。
原則、75歳以上もしくは65歳以上75歳未満で後期高齢者医療制度に該当し、かつ年金の受給額が18万円以上である場合に差し引かれるのです。
介護保険料
介護保険料は40歳から支払い義務が発生するものです。
65歳未満は医療保険料と一体となって支払われるのですが、65歳以上からは年金からの天引きとなります。受給額が18万円以上の場合に差し引かれます。
所得税
年金は雑所得として扱われ、所得税がかかります。
65歳未満の方で支払い額が108万円以上であるか、65歳以上で支払い額が158万円以上の場合は原則所得税がかかるので注意です。
住民税
住民税は前年の所得に応じて納付額が決まるもので、こちらも18万円以上の年金を受給しているとそこから差し引かれます。
ただ、所得額やその人の状態によっては差し引かれないケースもあります。詳細な要件はお住まいの地区のホームページをご確認ください。
次に、天引きされるお金が増える可能性について解説します。