3. 住民税非課税世帯の要件とは？所得はどのくらいか
住民税が非課税になる世帯って、実際どういう条件で決まるのでしょうか。
まず、住民税は前年の所得をもとに決められます。もし所得が0円だったら当然非課税になるわけですが、実は所得があっても一定額以下であれば非課税になるんです。
なお、世帯全員の住民税が非課税の場合、その世帯は「住民税非課税世帯」となります。
住民税非課税世帯になる条件は自治体によって異なりますが、東京23区内の場合を確認しましょう。
3.1 住民税非課税世帯に該当する所得要件（東京都23区内）
（1） 生活保護法による生活扶助を受けている方
（2） 障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が135万円以下（給与所得者の場合は、年収204万4000円未満）の方
（3） 前年中の合計所得金額が下記の方
- 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合：35万円×（本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数）＋31万円以下
- 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合：45万円以下
まず、「同一生計配偶者および扶養親族がいない場合」の目安として、所得が45万円以下だと住民税は非課税になります。ただ、「所得」と「年収」は違うので、ピンとこないかもしれません。
そこで、具体例を見てみましょう。たとえば東京都港区の場合、年収目安として以下のようになっています。
3.2 住民税非課税世帯に該当する年収（港区）
【写真1枚目/全4枚】港区における住民税非課税世帯の年収条件。写真後半では「年代別の住民税非課税世帯の割合」を一覧表で比較
出所：港区「住民税（特別区民税・都民税）はどういう場合に非課税になりますか。」
- アルバイトやパート：給与収入が100万円以下
- 65歳以上で年金受給のみ：年金収入が155万円以下
- 65歳未満で年金受給のみ：年金収入が105万円以下
- 不動産収入等所得：収入から必要経費を引き、合計所得が45万円以下（令和2年度まで35万円以下）
給与収入がある場合、所得45万円になる年収の目安は約100万円です。
年金収入では、65歳以上なら年収155万円、65歳未満なら年収105万円が目安です。
つまり、年金収入の場合、比較的高い年収でも非課税になることがわかりますね。これが年金生活者が住民税非課税世帯になりやすい理由でしょう。
次は、年代別の住民税非課税世帯の割合を見ていきましょう。世代によってどれくらいの人が該当するのか、確認してみます。
