「お金」のことは仲の良い友人や知人にも聞きにくいというのは皆さんお感じのことともいます。今回は日本証券業協会の個人投資家に対する意識調査をもとに「証券投資の開始時期」についてみていきましょう。若い世代もアベノミクス以降に始めた層だけではなく、意外に以前から始めていることが分かります。
20-30代の個人投資家は証券投資をいつはじめたのか
20代、30代といえば働き盛りで、貯蓄というよりも目の前の仕事に一生懸命に取り組み、年収を上げることに必死になっているとお考えの人も多いのではないでしょうか。その一方で、今回の調査結果では、若年層の個人投資家といっても意外に早い時期から資産形成または資産運用していることが見て取れます。どのくらいの割合の人がいつ証券投資をしているのかについてみていきましょう。
- 2017年:1.8%
- 2016年:8.5%
- 2015年:13.3%
- 2014年:13.5%
- 2005~2013年:36.4%
- 2001~2004年:8.5%
- 2000年以前:6.9%
- 覚えていない:11.2%
まとめにかえて
こうしてみると、証券投資を始めた時期として2014年から17年までが37.1%と4割弱を占めます。アベノミクスが2012年の年末以降とすると、今回の日本や米国等の株式市場の好調さなどを背景に証券投資を始めた方も多いといえるでしょう。証券投資を始めるにあたって、相場が堅調であるということが前提条件ともいえるでしょう。また、20-30代といえども、2004年以前から証券投資を始めていた層も15.4%もおり(「覚えていない」を除く)、若くとも以前から証券投資に触れていたことが分かります。そうした層がなぜ若くして証券投資を始めたのかのきっかけについても詳しく知りたいものです。
【ご参考】日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告」について
日本証券業協会が2018年1月に発表をした「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告」では、株式や投資信託といった有価証券投資をしている投資家の特徴について知ることができます。同調査は、全国の個人投資家(20歳以上)の合計5073人にアンケートを実施しています。株式、投資信託、公社債のいずれか、もしくは複数保有している層である既に投資家である人たちに行った調査です。
同調査で特に興味深いのは世代別の調査結果ではないでしょうか。20~30代、40代、50代、60~64歳、65~69歳、70歳以上と世代別、また年齢別に調査結果を開示しています。「お金」の悩みや疑問はもちろん人それぞれです。職業や年収、家族構成、親の資産保有状況等によって異なってくるでしょうが、同世代が「お金」のことについてどのように考えているのかは皆さんが興味のある点ではないでしょうか。そうした点を知る上でも大規模な人数にあたった調査であり、また個人投資家の特徴を知る上で非常に有益だといえます。
青山 諭志