3. 【2024年度】診療報酬改定で医療費はどうなる?
今回は基本方針と主な改定項目に分けて解説します。
3.1 診療報酬改定の基本方針
厚生労働省は、診療報酬改定について以下の基本方針を掲げています。
- 物価高騰・賃金上昇、経営の状況、人材確保の必要性、患者負担・保険料負担の影響を踏まえた対応
- 地域包括ケアシステムの深化・推進や医療DXを含めた医療機能の分化・強化、連携の推進
- 安心・安全で質の高い医療の推進
- 効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上
上記の基本方針に対して、それぞれ具体的な方向性が資料では示されています。
例えば、高齢化が進行し、医療に関する需要が高まることが予想されているため、医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取り組みなどが掲げられています。
3.2 診療報酬改定の主な改定項目
2024年度の診療報酬改定の主な内容は以下の通りです。
- 賃上げ・基本料等の引き上げ
- 医療DXの推進
- ポストコロナにおける感染症対策の推進
- 同時報酬改定における対応
- 外来医療の機能分化・強化等
- 医療機能に応じた入院医療の評価
- 質の高い訪問診療・訪問看護の確保
- 重点的な分野における対応
- 個別改定項目/医療資源の少ない地域への対応
今回の改定で注目したいのが「賃上げ・基本料等の引き上げ」です。
標準的な感染防止対策を実施する必要があり、医療従事者の賃金が引き上げられることになりました。これにより、改定後の初再診料や入院基本料などが見直されます。
具体的に見直される項目やポイントについては、次の章で紹介していきます。