物価高の影響で国民生活の負担が重くなっている状況を受けて、政府は住民税非課税世帯への給付を行っています。
具体的には、新しく2024年度に住民税非課税世帯等に該当した人に対して10万円、さらに子ども一人あたり5万円が給付されるという施策です。
住民税は「所得割」と「均等割」に分かれていますが、「所得割・均等割とも非課税」になる世帯と「所得割が非課税」になる世帯が住民税非課税世帯に該当します。
今回は、政府が行う給付金事業の内容や住民税非課税世帯に該当する要件などを解説します。
1. 10万円が給付されるのは「新たに住民税非課税世帯等に該当した人」のみ
2024(令和6)年度分の個人住民税において、新たに個人住民税均等割が非課税となった方のみ、または個人住民税所得割が課されていない方のみで構成されることとなった世帯に対して、1世帯当たり10万円が給付されます。
さらに、当該世帯において18歳以下の児童がいる場合は、児童1人あたり5万円が上乗せされます。
物価高による生活負担は、低所得者世帯ほど重くなることから、給付金の支給は住民税非課税世帯に絞って行われることとなっています。
ただし、世帯の全員が「個人住民税が課税されている他の親族等」の扶養を受けている場合は、給付の対象外です。
次の章では、住民税非課税世帯に該当する要件を解説していきます。
2. 住民税非課税世帯に該当する要件
自治体ごとに「住民税非課税世帯に該当する要件」がありますが、一例として東京都主税局によると、東京都23区において住民税非課税世帯に該当する要件は以下のとおりです。
2.1 所得割・均等割とも非課税
- ア 生活保護法による生活扶助を受けている方
- イ 障害者・未成年者・寡婦又はひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4千円未満)の方
- ウ 前年中の合計所得金額が区市町村の条例で定める額以下の方
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下(同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合)
45万円以下(同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合)
2.2 所得割が非課税
- 35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+42万円以下(同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合)
- 45万円以下(同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合)
扶養親族の数によって、ボーダーラインは異なります。
多くの自治体はホームページ上で住民税非課税世帯となる要件を明らかにしているため、確認してみるとよいでしょう。
次の章では、例として、東京都港区における住民税非課税世帯の要件を紹介します。
3. 【年収モデル】東京都港区における住民税非課税世帯の要件
それでは、東京都港区における住民税非課税世帯の年収目安をチェックしていきましょう。
【前年の収入が以下より少ない人(合計所得が45万円以下】
- アルバイトやパートの給与収入が100万円以下
- 65歳以上で年金受給のみの人は、年金収入が155万円以下
- 65歳未満で年金受給のみの人は、年金収入が105万円以下
- 不動産収入等所得がある人は、収入から必要経費を引き、合計所得が45万円以下(令和2年度まで35万円以下)
住民税非課税世帯に該当するか判断する際には、当年ではなく前年中の所得を基準に計算します。
つまり、今年何らかの事情で低所得になってしまっても、前年の所得が基準を超えていれば今年度の住民税非課税世帯にはなりません(翌年度に住民税非課税世帯となる可能性はあります)。
自分が住民税非課税世帯に該当するか判断できない場合は、お住まいの自治体に確認するのが確実です。
税務課や住民税の事務を担当している窓口に確認すれば、正確な情報を得られるでしょう。
ほかにも、毎年5〜6月頃に自治体から送られてくる「住民税決定通知書」を確認する方法もあります。
通知書に記載されている税額が「0円」の場合、住民税が非課税であることを意味します。
4. まとめにかえて
住民税非課税世帯に該当すると、政府による給付金の対象となることがあります。
原則としてその都度の給付金は「1回限り」とされていますが、今回のように急激な物価高をはじめとした環境変化が起こったとき、国民生活を守るために行われることがあります。
ほかにも、住民税非課税世帯は社会保険料の減免や医療費、教育費などの軽減を受けることも可能です。
負担を軽減するための措置を知れば、生活を守る際に役立つでしょう。
参考資料
柴田 充輝