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(初公開日:2023年8月9日)

年金は偶数月の15日に支給されるため、この8月は6月以来の年金支給月となります。

年金受給額は各世帯で異なりますが、世帯によっては8月15日に夫婦で合計「約45万円」支給されるところもあるようです。

しかも、厚生労働省の資料では「標準的な夫婦」とされているため「年金ってこんなに支給されるの?」と思ってしまうかもしれません。

しかし、これは標準的な夫婦のモデル年金から算出した金額であり、必ずしも上記の金額が受給できるわけではありません。

では、どのような夫婦世帯が、年金「約45万円」を受け取れるのでしょうか。

本記事では、平均的な年金受給額と、年金「約45万円」支給される夫婦モデルについて解説していきます。

「公的年金の仕組み」や「実際の年金支給額」についても解説しているので、老後準備の参考にしてください。

【注目記事】政府から高齢者へ「約6万円」が支給!申請しないともらえない「年金生活者支援給付金」を解説

1. 公的年金「厚生年金と国民年金」はどのような仕組み?

まずは公的年金である「国民年金」と「厚生年金」について、おさらいしておきましょう。

日本の公的年金制度は「2階建て構造」となっており、下記図のように「厚生年金」と「国民年金」が存在します。

【写真1枚目/全4枚】日本の公的年金制度は「2階建て構造」

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」

国民年金は、20歳から60歳未満の日本に住む国民全員が原則として加入するもので、保険料は一律となっています。

40年間保険料を納付すれば、国民年金(老齢基礎年金)は満額受け取れ、2023年度の満額は「月額6万6250円(67歳以下の場合)」です。

一方で厚生年金は、国民年金の上乗せとして主に公務員やサラリーマンなどの「第2号被保険者」が加入するもので、保険料は報酬比例制となっています。

これにより、多く稼いだり長く加入していたりするほど、受け取れる受給額が高くなる仕組みです。

国民年金の保険料は一律であるのに対して、厚生年金は報酬比例制となっていることから、受け取れる額の個人差が激しくなっています。

1.1 2023年度「標準夫婦」は公的年金をいくらもらえる?

厚生労働省によると、2023年度の年金額は厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)として22万4482円(月額)と発表されました。

【写真2枚目/全4枚】令和5年度の新規裁定者(67歳以下の方)の年金額の例

出所:厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」

「平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準」との注釈があり、あくまでもモデルケースでの例示となっています。

ちなみに、1人分の国民年金(老齢基礎年金)は満額で6万6250円(月額)。

2022年度と比較すると、2023年度の年金額は国民年金も厚生年金も増額していることがわかります。