8月15日に、今年4回目の年金支給日を迎えます。毎回の支給で2ヶ月分の年金が受け取れるとはいえ、今夏は猛暑により電気代などの支出が増えた世帯も多いでしょう。

商品値上げの傾向はやや落ち着いてきましたが、引き続き年金や貯蓄を活用した上手な家計管理が重要となります。

しかし、なかには年金を満足に受け取れない人もいます。そうした人に支給されるのが「年金生活者支援給付金」です。

年金生活者支援給付金は、生活が苦しい低所得者や住民税非課税世帯の貴重な収入源として、大きな役割を果たしています。

月に10万円や20万円の年金を受け取っている人にとっては、年金生活者支援給付金は馴染みのないもの。果たして、どのような制度なのでしょうか。

この記事では、年金生活者支援給付金について、支給金額や対象者、申請方法、ポイントを解説します。

1. 「年金生活者支援給付金」はいくらもらえる?

年金生活者支援給付金は、老齢年金、障害年金、遺族年金の受給者に対して支給されます。支給額は、以下のとおりです。

【写真全5枚中1枚目】年金生活者支援給付金制度の概要。2枚目以降では「年金生活者支援給付金」の対象者などを掲載。

年金生活者支援給付金制度の概要

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」をもとに筆者作成

1.1 老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金

  • 以下の計算式で算出した金額の合計額
    ・保険料納付済期間に基づく額(月額)= 5310円 × 保険料納付済期間/被保険者月数480月
    ・保険料免除期間に基づく額(月額)= 1万1333円 × 保険料免除期間/被保険者月数480月

1.2 障害年金生活者支援給付金

  • 障害等級2級:月額5310円
  • 障害等級1級:月額6638円

1.3 遺族年金生活者支援給付金

  • 月額5310円

※2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、5310円を子の数で割った金額をそれぞれに支給する

老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金は、保険料納付済期間と免除期間に基づいて金額を算出し、合計額を支給します。

たとえば、被保険者期間480月のうち440月保険料を納付、40月保険料を免除されていた場合、支給額は以下のとおりです。

  • 保険料納付済期間に基づく額(月額)= 5310円 × 440月/480月=4868円
  • 保険料免除期間に基づく額(月額)= 1万1333円 × 40月/480月=944円
  • 合計=月額5812円

障害年金生活者支援給付金は、障害等級に応じて毎月5310〜6638円を支給します。

遺族年金生活者支援給付金は原則月額5310円です。

ただし、複数の子どもが受給する場合は、5310円がそれぞれに等分されて支給されます。

では、年金生活者支援給付金の対象者について、次章で見てみましょう。