はじめに

転職活動において面接を受ける際、「服装自由」という指定を受けることがあります。女性の場合、服装はもちろん、髪型やメイク、鞄や靴、アクセサリーに至るまで選択するものが多く、ファッションの幅が広いため、あらためて「自由」と指定されると、とても悩みますよね。この記事では、服装自由と言われた時の基準の面接ファッションについて考えてみたいと思います。

目次

1. 女性の転職活動、面接は服装自由と言われたら?
2. 女性の転職活動、面接で服装自由といわれた時に役立つ最強の2着
3. 女性の転職活動。面接でネイルはNG?髪色は?
4. 女性の転職活動、面接では靴や鞄もチェックされている?
5. 女性の転職活動、面接で絶対NGな服装例
6. 女性の転職活動、面接にリクルートスーツは好まれない?
7. 女性の転職活動、最終的に面接を成功に導くのは、服装ではない?

1. 女性の転職活動、面接は服装自由と言われたら?

まず「服装自由」とあえて指定する企業側の意図を考えてみましょう。

まず考えられるのは、以下の2つです。

  • ラフな格好で仕事をする職種なので気を遣わないで結構。
  • どういう服装を選ぶかで、ファッションセンスを見たい。

多くの場合、どちらの意図であるかは、目指す職種によって、ある程度判断することができます。

例えば、IT企業の開発職など、お客様の前に出ることが少ない職種ですと、ふだんからジーンズやラフなシャツといったスタイルで仕事をするというケースが非常に多いようです。つまり、こういった職種の場合、企業側の意図としては「服装で合否は判断しないので、お気遣いなく。」という意図である可能性が高いといえます。こういう場合、スーツでも問題はありませんが、スーツ以外の服装で何とか…と考えるなら、求人情報や企業サイトに掲載されている、その企業に勤務する女性社員の服装をチェックし、それよりもやや堅いテイストのオフィスカジュアルを選択すれば失礼にはならないでしょう。

一方、アパレルや建築関連のデザイナー、営業といった職種になると、身につけているもので、仕事に必要なセンスの有無を判断されるという可能性が高くなります。この場合は、その企業に勤務する女性社員の服装はもちろん、アパレル関連であれば、商品を取り扱っているショップ店頭のスタッフのファッション、商品が掲載されているカタログやファッション誌のモデルの服装を参考にして、似たテイストの服装を選択すると、面接担当者に、よりよい印象を与えることが期待できます。

2. 女性の転職活動、面接で服装自由といわれた時に役立つ最強の2着

とはいえ、受ける面接ごとに服を用意するのは、経済的に厳しい…という人も多いでしょう。そういうときは、一般的な職種に応募することを前提に選んだ「スーツ」と「オフィスカジュアル」の2パターンを用意しておき、面接を受ける企業によって、どちらかを選択して着用する、という方法をおすすめします。

まず、スーツですが、男性の転職活動であれば「濃い色のスーツ」「白のシャツ」「自分に合ったネクタイ」といったポイントを押さえておけば、まず間違いないという暗黙の了解があります。しかし、女性の転職活動の場合は、ひとくちにスーツといっても、実に様々なデザインのものがあります。

女性が転職活動のためにスーツを新調する場合は、堅すぎないデザインで、通勤やふだんの仕事にも使えるものを選ぶとよいでしょう。たとえ面接で着る機会がなかったとしても、転職後の職場で着用する機会があれば、コストパフォーマンス的にも問題はありません。

一方のオフィスカジュアルですが、基本は、「オフィスにいても違和感がない」「そのまま、お客様の前に出ても失礼にならない」服装です。一般的には、ベーシックな色のトップスに、ジャケットかカーディガンをあわせ、スカートとパンプスを着用、といったところでしょうか。

また、スーツとオフィスカジュアルのどちらを着用したらよいかという点ですが、一般企業や制服があるような職場においてはスーツ、ラフなファッションで仕事をすることが多いIT系の開発職などでは、オフィスカジュアルがおすすめといえます。

なお、服装のセンスを問われる可能性があるアパレル系やクリエイティブ系の職種については、スーツよりは、自分の個性を主張しやすいオフィスカジュアルのほうが好ましいといえます。しかしこの場合のオフィスカジュアルは、自分の感覚で選んだものよりも、面接を受ける会社の社風に合わせたテイストのものを別途用意することが理想的です。実際に勤務することになれば、オフィスカジュアルは何着あってもよいものです。明日の生活もままならないほど困窮しているという状態でないなら、ここは将来への投資と割り切りましょう。

3. 女性の転職活動、面接では靴や鞄もチェックされている?

女性の転職活動では、服装だけではなく靴やのチョイスも非常に重要です。普段履いている靴や、持っているカバンではラフすぎて良くないのでは…と悩む人もいるでしょう。

靴はダークな色のパンプスが、もっとも無難といえます。スーツなら濃いめの色、オフィスカジュアルならベーシックな色と、女性の転職活動においては、比較的地味な色味の服装を選択することが多いですから、それらに合うパンプスをひとつ用意しておくとよいでしょう。

なお、ピンヒールやブーツ、ウェッジソールやサンダルは面接時には相応しくありません。また、汚れた靴は清潔感がない印象を与えます。特に、営業や窓口業務といった職種への転職を希望する場合、清潔感がないと判断されてしまうのは致命的です。出かける前に靴に汚れがないかを、きちんと確認することをおすすめします。

そして意外と見落としがちなのがです。女性のは、実に多種多様のデザインのものがあります。どういったものを面接に持って行けばいいのか迷うところですが、基本としては、「色味はダーク系」「A4サイズが収納できる」「派手すぎない形」がポイントになるでしょう。ブランド物やアクセントが目立つは、「自己主張が激しいのではないか?」という印象を相手に与えますので、転職活動においては、避けたほうが良いでしょう。

さらに注意したい点としては、面接会場には置き場が用意されていないことが多いという点です。置き場がない会場では、自然とを足元に置くことになりますが、その際に、自立するを使っていると、面接時の所作がスマートに見えます。転職面接に備えて新しく購入する予定であれば、自立するを候補に入れてみるのもよいかもしれません。

4. 女性の転職活動、面接でネイルはNG?髪色は?

面接に身につけていく服や、持っていくが決まると、次はネイルや髪、アクセサリーといったところが気になってくるのではないでしょうか。

まず、ネイルですが、一般的に面接時のネイルはOKとされていますが、派手過ぎると自己主張の強さを疑われます。このため、爪の色と大きくかけ離れた色はつけないほうがよいでしょう。長さも控えめにし、色はほんのりつく程度に仕上げるのがベストです。

ちなみに、ネイルの色のチョイスをするときは、「その爪で炊事をしても不潔な感じがしないか?」と自問しながら選ぶのがコツです。特に男性が面接を担当する場合、家事がこなしにくいように見える爪は、悪印象につながります。自分は許容できる色でも他の人はどう感じるのか、また、どこまでの色なら許されるのか、という判断が難しいと感じたら、思い切ってネイルは落とし、爪を短めに整えていくことをおすすめします。

次に髪。ショートやボブならボサボサにみえないように整える、肩より長ければゴムでまとめるなど、面接担当者に悪印象を与えない髪型については、なんとなく想像がつきますが、髪色の明るさがどのぐらいまで許容されるのかといった点については、判断が難しいところです。ここは、一般的に許容される範囲ということで、黒か濃いブラウンが妥当なのではないでしょうか。明るく染めている人は、いったん転職活動中だけダークな色に染め直し、入職後に、周囲の様子を見ながら徐々に元に戻していくことをおすすめします。

なお、身につけるアクセサリーは時計と結婚指輪・婚約指輪程度にしておきましょう。婚約指輪も、大ぶりの石がついたものなど、見た目が派手なものである場合は、つけていかないほうがベターです。ファッションリングをつけて印象が上がることはまずないので、こちらは絶対に外しておきましょう。

首元については、控えめなチェーンネックレス程度なら大丈夫ですが、面接は自分をきれいに見せる場ではありません。基本的になにもつけないというのがベストな選択といえるでしょう。

転職活動中は、自分を主張しすぎず、できるだけ良い印象を与えるように心がけることが大切です。

5. 女性の転職活動、面接で絶対NGな服装例

次に、女性の転職活動にて、絶対に面接時にしてはいけない服装について考えてみましょう。

先ほど、IT企業の開発職などは、ラフな服装で仕事をしていることが多いため、「服装に気を遣わずにお越しください。」の意味で、転職面接時に「服装自由」を指定することがあるというお話をしました。しかし、いくら普段はラフな格好で仕事ができる職種とはいえ、社内で仕事をしている人と同じような格好で面接に臨むのはいただけません。

例えば、企業のサイトや求人情報にて、その会社で働く女性社員の服装をチェックしたときに、ジーンズにシャツといったラフな格好の人がいたとしましょう。この場合、面接時の服装は、それを基準にジーンズにシャツとするのではなく、職場の雰囲気よりも、きっちりとしたオフィスカジュアルをチョイスするのが常識的な判断といえます。

アパレル系の職種など、仕事に必要なセンスを見る意味で、「服装自由」を指定する企業があるという話もしましたが、基本的に、面接時の服装の比較対象は、すでにその会社で働いている社員の服装ではなく、あくまで同じく面接に訪れている他の転職希望者の服装となります。つまり、他の転職希望者と比較して、社内の基準に沿うかどうか、仕事に必要なセンスがあるかどうか、という目線で見られているということなのです。

何度もいいますが、面接は自分のセンスを競う場ではありません。会社に対して自分らしさを主張するのは、実際に入社をしてから、必要な範囲で、ゆっくりと少しずつ。仕事の場は私生活とは違うということをしっかりと認識し、転職活動中は「社会が好感を持つ自分」を演出するように心がけましょう。

6. 女性の転職活動、面接にリクルートスーツは好まれない?

女性の転職面接の服装を考えるとき、「今から揃えるお金もないし時間もない。学生の時に着ていたリクルートスーツではダメなの?」と思っている人も、少なからずいるのではないでしょうか。

女性の転職活動でのリクルートスーツの着用については、絶対にダメという決まりはありません。しかし一般的には、リクルートスーツ+白いシャツの新卒定番スタイルは第二新卒まで。ある程度社会人経験を経てからの着用は、社会経験が少ない、頼りないという印象を持たれる恐れがあるため注意が必要とされています。履歴書や職務経歴書で、経験や年齢はわかるとしても、新卒面接の時期に、同じような新卒定番のリクルートスーツを繰り返し見た面接担当者にとって、リクルートスーツに未熟なイメージが残っている可能性も否定できません。

大切な面接です。少しでも不利になる印象はできれば避けたいですから、スーツを着用するのであれば、リクルートスーツよりも、「そのまま商談に行ってもおかしくない。」という感覚で選んだものを選ぶことをおすすめします。

ただ、それでも、どうしてもスーツを新たに購入するのが難しいという場合もあるでしょう。そういったときは、中に着るシャツの色を白ではなく、単色の淡いカラーにするという方法もあります。シャツを変えることで、リクルートスーツのイメージをいくぶん和らげることができるからです。この場合、シャツの色は、ベージュやピンクがおすすめですが、シャープに見せたいならブルーも良いかもしれません。また、単色ではありませんが、爽やかさを演出するために、シンプルなストライプのシャツを着用するという手もあります。

7. 女性の転職活動、最終的に面接を成功に導くのは、服装ではない?

女性の転職に限らず、面接をクリアするには、第一印象が非常に重要なカギとなります。まずは見た目ということで、服装や靴など、身につけるものについて考えてきました。

しかし、それだけでは面接を成功させることはできません。

面接は、よく商談にたとえられます。商談の相手は面接担当者、商品は自分だと考えると、わかりやすいのではないでしょうか。

商談では、まず相手に話を聞いてもらう必要がありますが、第一印象が悪くては、話を始めることすら難しくなります。このために、服装や靴、髪型などを、相手に好まれるものに整えるわけですが、いざ商談が始まってしまうと、表情や話し方、立ち居振る舞いといったことが大きく影響してきます。

伏し目がちに「○○だと思います…」と自信のない雰囲気を醸し出していては、商談相手も、すすめられている商品が、自分にとってよいものかどうかを判断することができず、戸惑ってしまうことでしょう。ここは、しっかりと相手の目を見て、明るい表情でハキハキと受け答えをしたほうが、商談相手も、もっと商品について、深く知りたいという気持ちになるはずです。

服装などの見た目は、あくまで第一印象をクリアする道具。最終的に、面接担当者に「うちの会社に欲しい」と思わせることができるかどうかは、本人次第です。服装や身につける物で悩むばかりではなく、今一度自身にビジネスマナーが身についているのかをふりかえる、自分自身の棚卸をして強みや弱みを再認識しておくなどの行動も、転職を成功させるために必要なことなのではないでしょうか。

おわりに

女性の場合、選ぶことができるファッションの幅が広いぶん、転職活動の面接に着ていく服装も、いったいどういうものを着ていくのが正解なのかが、本当にわかりにくいですね。ただ、基本として心掛けたいのは「ビジネスの場に相応しい服装」であり、「相手に失礼にならない服装」です。アパレル関係など、服装のセンスを確認される可能性のある職種では、ある程度の個性のアピールが必要になることもありますが、大切なのは第一印象。主張しすぎることがないよう、気をつけたいものです。

LIMO編集部