3. 働く時間とスキルがあるなら長く働いたほうがよい

税金や社会保険料の負担が重くなると手取り収入が減るため、年収の壁を意識するのは一見合理的です。

しかし、自ら社会保険に加入すると将来受け取れる厚生年金が増えるため、長い目で見ると経済的に得をする可能性が考えられます。

日本人の平均寿命は延びています。想定以上に長生きしてお金が足りなくなってしまう「長生きリスク」に備えるためにも、現役の頃に収入を得て保険料を納付し、将来の年金額を増やすのは有意義でしょう。

まだ現役で働く時間・スキル・体力があるのであれば、年収の壁を気にせず働くことも検討してよいかもしれません。

年金は老齢や障害などの理由で働けなくなったときの生活を支える保険の役割を果たしているため、将来受け取れる給付を増やせば安心につながります。

4. まとめにかえて

税金と社会保険料は、収入が多いほど納める金額も多くなります。

負担を避けて手取り収入を最適化するために、年収の壁を超えないように就労調整をするのは一見合理的です。

しかし将来の年金を含めて長い目で考えると、現役の頃に負担して、将来に備えたほうが安心につながります。

目先の損得だけでなく、将来を踏まえて最適な働き方を探ってみましょう。

参考資料

柴田 充輝