4. 年金受給者世帯の1ヵ月の生活費はいくら?
総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」から、単身無職世帯と二人以上無職世帯の生活費の内訳をみていきましょう。
4.1 【65歳以上】単身無職世帯の生活費内訳
〈収入〉
- 社会保険給付:93.2%
- その他:6.8%
- 実収入:12万6905円
- 不足分:3万768円
〈支出〉
- 食料:27.6%
- 住居:8.6%
- 高熱・水道:9.9%
- 家具・家事用品:4.1%
- 被覆及び履物:2.2%
- 保険医療:5.5%
- 交通・通信:10.4%
- 教育:0.0%
- 教養娯楽:10.5%
- その他消費支出:21.2%(うち交際費11.0%)
- 非消費支出:1万2243円
- 消費支出:14万5430円
4.2 【65歳以上】夫婦のみの無職世帯の生活費内訳と収支バランス
〈収入〉
- 社会保険給付:99.3%
- その他:10.7%
- 実収入:24万4580円
- 不足分:3万7916円
〈支出〉
- 食料:29.1%
- 住居:6.7%
- 高熱・水道:8.9%
- 家具・家事用品:4.2%
- 被服及び履物:2.1%
- 保険医療:6.7%
- 交通・通信:12.2%
- 教育:0.0%
- 教養娯楽:9.8%
- その他消費支出:20.3%(うち交際費9.7%)
- 非消費支出:3万1538円
- 消費支出:25万959円
4.3 単身者世帯、二人世帯ともに赤字生活
単身者世帯、二人世帯ともに収入と支出のバランスが崩れていることがわかります。
単身者無職世帯は3万768円、二人無職世帯は3万7916円の赤字です。
この赤字部分を減らすためには、毎月の生活費を抑える、事前に備えていた貯蓄を切り崩す、働く環境があれば働いて収入を増やすなどの方法を考えておく必要があります。
5. 老後のための資産対策をする
年金や社会保障収入だけに頼る生活は難しくなっています。
これから年金額が大きく増加するとは考えにくく、生活費を抑える、定年後も働く、期間的に余裕がある間に資産運用をして貯蓄額を増やしておくなどの方法を考えておきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」
- 厚生労働省「主な年齢の平均余命」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 豊橋市「『お金の整理(3)』~節約術~」
- 厚生労働省「家計改善支援の基本的な 考え方と相談の流れ ~一連の流れを理解する~」
円城 美由紀