4. 国民年金・厚生年金《老後の年金から天引きされる4つのお金》

micmon/shutterstock.com

ここまでご紹介した公的年金額は、いわゆる「額面」。税金や社会保険料などの天引き前の金額です。

実は老齢年金からは、現役時代の給与と同じように、税や社会保険が天引きされることがあります。詳しく見ていきましょう。

4.1 《老後の年金から天引きされるお金 その1》介護保険料

40歳から64歳までの間、介護保険料は健康保険料に含まれた形で納付しています。しかし、65歳以降は介護保険を単独で納付することになるのです。

ちなみに、介護保険料は生涯にわたり納付義務が続く点には注意が必要です。要支援・要介護状態になって介護サービスを利用するようになっても、介護保険料の支払いは続くのです。

年金受給額が18万円以上(年額)の場合は年金天引きによる「特別徴収」、18万円未満の場合や、繰下げ受給待機中の場合には自分で納める「普通徴収」となります。

4.2 《老後の年金から天引きされるお金 その2》国民健康保険料や後期高齢者医療制度の保険料

国民健康保険、後期高齢者医療制度の保険料についても、一定条件の人は年金から天引きで納めます。

4.3 《老後の年金から天引きされるお金 その3》個人住民税

住民税は前年中の所得に対して課税されます。年金所得が一定額を超えた場合にも課税対象となり、年金から天引きされます。

国民健康保険料や後期高齢者医療制度の保険料との違いは、収入が一定額以下だった場合は非課税となるところ。

ちなみに、障害年金・遺族年金は住民税非課税です。

4.4 《老後の年金から天引きされるお金 その4》所得税および復興特別所得税

一定額以上の年金は所得税の課税対象となります。公的年金は雑所得扱いとなり、65歳未満なら108万円、65歳以上なら158万円を超えると課税対象です。

さらに「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律117号)」により、所得税の源泉徴収の際に併せて復興特別所得税も課税されます。

ただし収入が公的年金のみだった場合、65歳未満であれば108万円以下(年額)、65歳以上であれば158万円以下(年額)の場合、所得税そのものがかかりません。

※個人住民税と同じく、障害年金・遺族年金も所得税は非課税となります。