8月15日に、今年4回目の年金支給が行われました。年金は偶数月の15日に支給されます。支給のたびにありがたみや喜びを実感する一方、ふと「あと何回年金を受け取れるだろう」と考えたことがある人もいるのではないでしょうか。

人間には寿命があります。また、健康に生きられる年数も人によって異なります。元気に長生きするためには、生活習慣などで心がけるべきポイントが存在します。加えて、老後を元気に暮らすには資産形成も重要です。老後資産の多さは、生活に余裕をもたらします。

この記事では、日本の平均寿命や健康に生きられる「健康寿命」について解説します。後半では長生きのコツや老後の資産形成の仕方についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

1. 平均寿命以上まで生きられるのはたった26%!日本の平均寿命は何歳?

初めに、日本の平均寿命を見てみましょう。厚生労働省の「令和5年簡易生命表」によれば、2023年の0歳時点での男女の平均寿命は以下のとおりです。

  • 男性:81.09歳
  • 女性:87.14歳

女性のほうが男性に比べて6年以上寿命が長くなっています。

また、特定の年齢まで生存する人の割合は、以下のとおりです。

【写真1枚目/全5枚】平均寿命まで生きられるのは何パーセント?次ページでは男女別の健康寿命を一覧で紹介1/5

特定の年齢まで生存する人の割合

出所:厚生労働省「令和5年簡易生命表 2 寿命中位数等生命表上の生存状況」をもとに筆者作成

〈男性〉

  • 40歳:98.3%
  • 65歳:89.5%
  • 70歳:75.3%
  • 90歳:26.0%
  • 95歳:9.2%

〈女性〉

  • 40歳:98.9%
  • 65歳:94.4%
  • 70歳:87.9%
  • 90歳:50.1%
  • 95歳:25.5%

平均寿命以上の90歳まで生きられる人は男性が26.0%、女性が50.1%となっています。男性は4人に1人、女性は2人に1人が90歳まで生きられることがわかります。

2. 健康に生きられる「健康寿命」は何年?男女別に解説

では、健康に生きられる「健康寿命」は何年なのでしょうか。内閣府が公表している「令和5年版高齢社会白書(全体版)」によると、2019年度時点での男女の健康寿命は以下のとおりです。

2019年度時点での男女の健康寿命2/5

2019年度時点での男女の健康寿命

出所:内閣府「令和5年版高齢社会白書(全体版)第1章 高齢化の状況(第2節 2)」をもとに筆者作成

  • 男性:72.68年
  • 女性:75.38年

男性は約73年、女性は約75年が健康に生きられる年数とされています。調査時点から約10年前の2010年時点では男性が70.42年、女性が73.62年のため、2〜3年程度健康寿命は延びているといえます。

一方で、男女どちらも平均寿命や健康寿命が延びているため、男女差は縮まっていません。「女性のほうが男性よりも長生き」という事実は、数年変わっていないようです。

では、健康寿命を延ばしてより長生きするには、何を心がければよいのでしょうか。次章で解説します。

3. 健康寿命を延ばすために心がけたいポイント3つ

健康寿命を延ばすために心がけたいポイントは、以下の3点です。

  • 適度な運動をする
  • バランスのよい食事を摂る
  • 過度な飲酒・タバコを控える

健康寿命を延ばすには「生活習慣の改善や見直し」が必須です。健康に気を使うことがストレスにならないような範囲で、心かげてみましょう。

4. 適度な運動をする

適度な運動をすることで、筋肉の衰えを防ぎ体力向上につながります。「令和5年版高齢社会白書(全体版)」では、75歳以上の人で運動習慣のある人は、男性が46.9%、女性が37.8%となっています。

75歳以上で運動習慣のある人の割合は、20〜64歳、65〜74歳よりも多く、運動で健康に気を遣っている人が多いようです。

ウォーキングやジョギング、スクワットといった簡単にできる運動を日常に取り入れれば、体力の低下を防げます。

5. バランスのよい食事を摂る

食生活に気を使うことも健康寿命を延ばすためには重要なポイントです。特に気をつけたいのが「脂質や糖質の摂りすぎ」や「塩分過多」です。どちらも過度な摂取は生活習慣病を引き起こしたり、大病の原因となったりする可能性があります。

一方で「食べなさすぎ」もよくありません。栄養が不足してしまうと、頻繁に体調を崩す原因となってしまいます。適切な量をバランスよく食べるのが大切です。

6. 過度な飲酒・タバコを控える

過度な飲酒やタバコを控えることで、寿命を延ばせる可能性があります。飲酒は適度であれば趣味の一つとして確立できますが、深酒や大量のアルコール摂取は体に害をおよぼす場合があります。適量を適切な頻度で飲むことが重要です。

また、タバコは健康に重大な影響を与えかねません。タバコには依存性の強いニコチンと、体に直接的な害をおよぼすタールなどの物質が含まれており、いつまで経っても止められずに体を蝕んでいく可能性があります。できれば早いうちから禁煙やタバコ依存の脱却を試みて、体への影響を少なくしたいところです。

いつまでも健康に生きるには、体力や生活習慣といった点に加えて、お金に関することも気にかける必要があります。老後のためにできる資産形成について、次章で解説します。

7. 老後のためにできる資産形成

余裕のある快適な老後生活を実現するには、資産形成が重要です。現役のうちからどれくらい資産を形成できるかによって、老後の生活しやすさが変わってきます。

現代では、投資を始めやすい環境が整えられており、誰もが資産運用して老後資産を作れるようになりました。なかでも、NISAとiDeCoは多くの人が利用したい制度です。

7.1 NISAでの資産形成

NISAは、運用益が非課税で受け取れるのが特徴の制度です。2024年から非課税で金融商品を保有できる期間が恒久に延長されたことで、より多くの資産を受け取れる可能性が高まりました。

加えて、長期投資に適した制度であるため金融商品の値動きが平準化しやすく、安定して投資を続けられるというメリットがあります。たとえば、毎月1万円を年利3%で運用した場合、元金240万円が約20年で約330万円に、元金480万円が40年で約930万円にまで増えると試算されています。

長期投資の効果4/5

長期投資の効果

出所:金融庁「資産形成の基本」

老後も投資を続けられることから、早いうちに始めるほど投資の恩恵を受けやすくなります。

7.2 iDeCoでは35年で63万円の節税効果が期待できる

iDeCoは、自分で積み立てる年金の一つで、節税効果が期待できるのが特徴です。具体的には、以下のような効果があります。

  • 掛金が全額税控除の対象
  • 運用益が非課税
  • 運用益受取時も一定額まで税制優遇

iDeCoは年金に該当するため原則60歳までは引き出せませんが、将来受け取る公的年金と併せて受給すれば、老後の生活がグッと楽になります。

加えて、節税により現役時代の負担減少も可能です。たとえば、30歳で年収400万円の人は月1万円の掛金を65歳まで拠出した場合、35年で63万円の節税ができます。

30歳・年収400万円の人が月1万円でiDeCoに加入した場合5/5

30歳・年収400万円の人が月1万円でiDeCoに加入した場合

出所:iDeCo公式サイト「かんたん税制優遇シミュレーション」

通常の証券口座で年金用資金を積み立てるよりもお得に資産形成ができるため、年金資産を増やしたい人に最適な制度です。

NISAとiDeCoは併用が可能です。それぞれ効果的に使えば、ゆとりを持って老後生活を楽しめるでしょう。

8. まとめにかえて

医療の進歩や発展により、私たちの平均寿命や健康寿命は確実に延びてきています。しかし、長く生きることになればその分お金が必要になります。いくら寿命が延びても、生活できるお金がなければ意味がありません。

老後生活に入って年金を受け取るようになっても劇的にお金が増えるわけではないため「お金の不安」はなかなか解消されません。万全の準備で老後生活に入れるよう、自分で老後に向けた資産を作っていくことが重要です。

参考資料