2. 【地方の子育て】「のびのび育てたい」という魔法の言葉
筆者は祖母の家が絵に描いたような農村地域で、夏休みに祖母の家で過ごしていました。刺激的なことはないものの、庭先を飛ぶトンボやアゲハ蝶、祖母が育てる新鮮な野菜、夏祭りのお囃子、そして夜空に広がる星々の美しさは決して街中の家では経験できないことばかりでした。
地方の市街地に住んでいた筆者は、周囲を田んぼに囲まれた祖母宅で過ごした日々を夏になれば思い出し、貴重な体験だったと懐かしんでいます。
都市部でのせわしない生活の真逆に位置する地方での子育ては「のびのびと子どもを育てられる」という言葉で表現されることがあります。都会で子育てをすると習い事教室が充実していることもあり、幼児期から習い事を掛け持ち、忙しい毎日を送る子もいます。
のんびりと暮らすことは現代人にとって理想的な生き方の一つです。大人でも多忙なのに、本来ならば色々なことを経験し成長して欲しい子ども達も大人と変わらないくらい予定が詰まった日々を送っています。
地方で子育てをすると、少子化が進んでいることもあり子育て世帯への手厚い支援や、より広い住宅に住むことや地域のお祭りなどの行事に参加するなど都会では経験できないことができます。人とのつながりもあり、地域が一体となって子どもを見守り育てるという雰囲気があり、それが都会で子育てをしている人からすると魅力に映ります。
都会に住んでいる人が「我が子はこのまま成長していいのだろうか」と親は自問自答を繰り返すわけですが、しかし地方の子育てを凝縮した「のびのび」という言葉は色々な意味を含み、時には親を惑わすことがあります。