2.2 老後貧乏になってしまう原因②:子や孫への資金援助

2つ目に考えられる原因として、子や孫への多額の援助が挙げられます。

孫や子に対しては、ついつい財布のひもが緩んでしまう方も多いのではないでしょうか。一方で、お小遣いやお年玉、一緒に外出した際の食事代など、子や孫にかかる出費は意外と無視できないものです。

なかには孫の教育費を援助する人もいるでしょう。

また、現役時代、子にかかる教育費を思うように貯められておらず、想像以上に出費が嵩んだ結果、老後に向けた貯蓄ができなかったという方もいるかもしれません。

幼稚園から高校まで全て私立に通った場合と公立に通った場合の教育費にどれほどの差があるのか、文科省の調査結果から見ていきましょう。

文部科学省が2022年に公開した「令和3年度 子供の学習費調査」から差額をみていきます。 

学校種別学習費総額の推移

学校種別学習費総額の推移

出所:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」

<学校種別学習費総額の推移>

  • 幼稚園(公立・私立):16万5126円・30万8909円
  • 小学校(公立・私立):35万2566円・166万6949円
  • 中学校(公立・私立):53万8799円・143万6353円
  • 高等学校(公立・私立):51万2971円・105万4444円

大学に進学する場合にも国立と私立で大きく金額差があるため、さらに教育資金の差が広がる可能性があります。

大学の学費が足りない場合には奨学金制度がありますが、学生のうちから借金を抱えることになるため、子に負担をかけたくないと考える親も多いでしょう。

子や孫にかかる費用については、老後を迎える前に話し合っておくことをおすすめします。

2.3 老後貧乏になってしまう原因③:現役時代の生活水準を下げられない

核家族化が進み、夫婦が共働きということも珍しくない現代の日本。

夫婦が共働きの場合、収入は期待できますが、家事や育児などで人手不足を感じることもあるでしょう。

こういった際に便利なのが、高機能な家電や家事代行サービス、外食です。

これらのサポートは日々の生活が楽になる反面、使い続けると費用がかさみます。定年退職後も現役時代の生活水準を下げられなかった結果、老後に十分な資産が残らず、老後貧乏に陥る可能性があります。

一度手にした快適さを手放すのは難しいですが、老後に必要な生活費を試算して、不足があるなら節約を心がけましょう。

次章からは老後貧乏にならないための工夫について解説します。