3.2 老後の資金を準備する
老後の収支シミュレーションで赤字が発生した場合は、まずその赤字額をカバーできる分の資金を準備しておきましょう。
たとえば、おひとりさま女性が、老後の家計シミュレーションで毎月3万円の赤字が発生した場合、平均寿命までに約792万円を日々の生活費の補填として準備しておく必要があります。
さらに余裕があれば、医療費や介護費などの、緊急時の備えもある程度備えておけると安心です。
3.3 老後の収入を増やす検討をする
「老後の備え」と聞くと、「老後資金」を考えてしまう人も多いですが、老後の収入である年金額を増やす検討をしておくことも、老後対策の一つです。
国の制度を活用すれば、老後の収入源の多くを占める「公的年金」を増額させることが可能です。
たとえば、年金の受給開始年齢を遅らせる「繰下げ受給」を活用することで、最大で84%も年金額をアップさせられます。
また、国民年金のみ加入の場合は、現役時に納める保険料を増やすことで、将来受け取る年金額を増やせる「国民年金基金」という制度を利用できます。
このように、老後の収入源である公的年金を増やす制度はいくつかあり、制度によっては現役時から始めることもできるため、今一度調べてみることをおすすめします。
4. 人生100年時代!今のうちから老後について考えよう
本記事では、老後の収入源となる公的年金の平均額から、老後の家計収支シミュレーションを紹介していきました。
日本の平均寿命は過去30年で大きく延びており、医療の発展に伴い今後さらに延び続ける可能性があります。
長寿化が進む現代だからこそ、現役時代のうちから老後設計を考えておくことが重要です。
本記事で紹介した老後対策は今日からでも実践できるものとなっているため、まずは老後の収支シミュレーションから始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- 全国国民年金基金「国民年金基金制度とは?」
太田 彩子