4. 年金生活を支える「老後資金」の準備は早めのスタートが大切
令和の年金エイジの「収入」に関するデータを眺めてきました。
公的年金だけで暮らすシニア世帯は全体の41.7%。残りの約60%は公的年金以外の収入源や貯蓄で不足分をカバーしていることが推測されます。
止まらぬ物価上昇を、今リアルタイムで経験している現役世代の私たち。長寿時代にセカンドライフを安心して過ごすために、早いうちからコツコツと老後に備えたお金の準備をしておきたいものですね。
インフレリスクを意識したとき、預貯金と資産運用を上手に組み合わせながら、資産を守り、育てていく視点が求められるでしょう。
2024年に制度が拡充されたNISAを活用した資産運用を検討してみるのも一案。まずは情報収集から始めてみましょう。最適な資産づくりのスタイルは人それぞれ。資産状況やライフスタイルに合った方法を見つけていけたら良いですね。
5. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説
日本の公的年金制度は複雑で、多くの人がさまざまな疑問を抱えていることでしょう。ここでは、年金に関するよくある質問を取り上げ、その解答を解説します。
5.1 年金の主な種類と仕組みは?
日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。
国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入する基礎年金で、厚生年金は会社員や公務員が加入するものです。
国民年金は一定の保険料を納付し、将来の年金額が決まるのに対し、厚生年金は収入に応じた保険料を支払うため、将来の受給額にも差が出ます。
5.2 「繰下げ受給」とはどんな制度?
年金の受給開始年齢を遅らせることで、受給額が1カ月につき0.7%増える「繰下げ受給」があります。
例えば、65歳から受給を開始する予定を75歳0カ月まで繰り下げると、84%増額となります。これは、長期間働くことができる人や、他の収入源がある人にとって有利な選択肢となります。
5.3 年金を増やす方法はあるのか?
年金を増やす方法はいくつかあります。自営業やフリーランスの方は、国民年金の付加保険料を支払うことで、将来の受給額を増やせます。
また、厚生年金に加入する働き方に切り替えることも一つの方法です。
さらに、老後資金を増やすという意味では、投資信託やiDeCo(個人型確定拠出年金)などを利用して、自身で資産運用を行うのも選択肢です。ただし、運用にはリスクがあることに注意が必要です。
参考資料
- 首相官邸「岸田内閣総理大臣記者会見」
- 厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
西村 翼