2. 日本の公的年金制度は「2階建て」

日本の年金制度は国民年金と厚生年金の2階建てになっています。

まず年金制度の1階建て部分にあたる国民年金は、日本に住んでいる20~60歳のすべての方が加入する制度です。

さらに会社員や公務員の方は、2階部分にあたる厚生年金にも加入します。

国民年金を支払うと将来「老齢基礎年金」、厚生年金を支払うと将来「老齢厚生年金」が受け取れます。

したがって国民年金と厚生年金に加入している会社員や公務員は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方を受け取れます。

そのため、自営業者よりも将来受け取れる金額が多い可能性が高いのです。

公的年金制度と自助努力で加入する制度

公的年金制度と自助努力で加入する制度

出所:厚生労働省「いっしょに検証!公的年金~年金の仕組みと将来~」

なお、年金制度は「3階建て」と言われることもありますが、3階部分は将来の公的年金の不足額を補う目的で、個人や企業の自助努力で加入する制度を指します。

3. 公的年金「老齢年金・障害年金・遺族年金」の概要と受給要件

公的年金と聞くと、老後に受給できるものというイメージがありますが、実は公的年金が受給できるのは、老後ばかりではありません。

公的年金は以下の3種類があります。概要と受給要件について簡単にまとめてみました。

老齢年金・障害年金・遺族年金について

老齢年金・障害年金・遺族年金について

出所:日本年金機構「遺族年金ガイド」厚生労働省年金局「障害年金制度の見直しについて」などをもとに筆者作成

できれば起きない方が良いことですが、仮に被保険者が障害状態になったり死亡した場合は、65歳にならなくても要件を満たしていれば受け取れます。

万が一のことが起きたときのために知っておくと良いでしょう。

次の章では、見直しが検討されている遺族年金・障害年金制度について詳しく確認していきましょう。