ふるさと納税は自分の選んだ自治体に寄付を行うと、控除上限額内の2000円を越える部分について税金が控除される制度です。

自治体独自のグルメや日用品などがもらえるため、2008年のスタート以来人気を集めています。ふるさと納税の利用数は年々上昇しており、受け入れ件数は2023年度に約5895万件、受け入れ額は1兆1175億円にものぼります。

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ふるさと納税の受け入れ件数の推移

出所:総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果」

ふるさと納税はポータルサイトを経由することでお得にポイント付与されるのも人気の理由のひとつですが、来年以降はポイント付与が禁止になる方針となっているのです。

今回は、そんなふるさと納税の制度やポイント付与の禁止について見ていきましょう。

1. そもそも「ふるさと納税」とは

「ふるさと納税」は、日本の税制の一つで、地方自治体への寄付を通じて税金を納める仕組みです。個人が好きな自治体に寄付を行うと、その寄付額の一部が翌年の所得税や住民税から控除されます。

ふるさと納税を行うと、寄付額から2000円を差し引いた額が、翌年の所得税や住民税から控除されます。控除を受けるためには、確定申告が必要ですが、「ワンストップ特例制度」を利用すれば、確定申告なしで控除を受けることも可能です。

ふるさと納税は、寄付を通じて地方自治体を支援し、地域活性化に貢献できる制度ですが、一方で、自分の住んでいる自治体の税収が減るという側面もあるため、利用にあたっては全体的なバランスを考えて寄付することが大切です。

1.1 年収500万ならどれくらいふるさと納税できる?

総務省のふるさと納税ポータルサイトには、ふるさと納税額の目安一覧が載っています。

年収500万円ならどれくらいふるさと納税ができるのか見てみましょう。

※掲載している数値はあくまで目安です。具体的な計算はお住まいの市区町村にお問い合わせください。

全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安2/3

全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安

出所:総務省「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」

ふるさと納税を行う方本人の給与収入が500万円の場合の上限目安

  • 独身又は共働き...6万1000円
  • 夫婦...4万9000円
  • 共働き+子1人(高校生)...4万9000円
  • 共働き+子1人(大学生)...4万4000円
  • 夫婦+子1人(高校生)...4万円
  • 共働き+子2人(大学生と高校生)...3万6000円
  • 夫婦+子2人(大学生と高校生)...2万8000円

年収500万円(給与所得のみで扶養家族なし)の方の場合、ふるさと納税の寄付可能な上限額の目安は約6万円です。この金額まで寄付すると、翌年の所得税と住民税から6万円(-2000円を除く額)が控除されます。

つまり、年収500万円の方がふるさと納税で約6万円寄付した場合、5万8000円分の税控除を受けられるため、実質的な負担は2000円となります。

ふるさと納税を利用すれば2000円の実質負担でお礼の品を受け取ることができるので、寄付額とお礼の品の価値によってはかなりお得になるでしょう。

1.2 ポータルサイトを経由するとポイントが貯まる

ふるさと納税には、返礼品という大きなメリットがあることはよく知られていますが、さらにお得感を高めるポイントとして、ポータルサイトを経由して寄付を行うことで「ポイントが貯まる」という仕組みがあります。これにより、寄付の金額以上にメリットを得ることができる点も見逃せません。

ふるさと納税のポータルサイトによっては、サイト独自のポイントが貯まるシステムが導入されています。これにより、寄付を行うと、寄付額に応じてポイントが付与され、後日そのポイントを次回の寄付やショッピングに利用することができます。

さらに、クレジットカードを利用して寄付を行うと、クレジットカードのポイントも貯まります。一部のポータルサイトでは、これに加えて、特定のクレジットカードを利用することで、追加ポイントが付与されるキャンペーンが開催されることもあり、ポイントの「二重取り」や「三重取り」が可能というわけです。

しかし、そんなポイント付与について、総務省は2025年10月から規制する方針を公表しました。

2. ふるさと納税の規制経緯は?

総務省の資料によると、ポータルサイト等による寄付に伴うポイント付与に関わる競争が過熱していることや、寄付を受けた自治体がポータルサイトに支払うコストを問題視しているようです。

6月25日に総務省が行った記者会見では、松本総務大臣がふるさと納税について「返礼品目当てということではなく、寄附金の使い道や目的に着目して行われることが意義のあること」と説明しました。

ふるさと納税の指定基準の見直し3/3

ふるさと納税見直し図

出所:総務省「報道資料 ふるさと納税の指定基準の見直し等」

本来のふるさと納税の趣旨は地域の振興と地方自治体への支援です。返礼品やポイントで納税する自治体を選んでしまうのは趣旨からずれていると考えられているのでしょう。

ポイント付与が2025年10月から禁止されることになっても、税金の控除を受けながら地域振興に貢献し、返礼品を受け取るという本来の目的やメリットは変わりません。ふるさと納税は依然として有意義な制度であり、地域への支援と税制のメリットを享受する方法として引き続き価値があるといえます。

今後の動向を注視する必要はありますが、メリットがある間は引き続きふるさと納税制度を活用するとよいでしょう。

3. まとめにかえて

今回はふるさと納税のポイント付与禁止について解説してきました。

ふるさと納税に関しては、2023年10月から返礼品や手数料を含む経費が寄付額の50%以下というルールが導入されるなど、制度の持続性を高めるための措置がたびたび行われています。

変更になるたびに使いにくくなる印象を受ける方もいるかもしれませんが、ふるさと納税の本質的なメリットである税金の控除や地域貢献の機会は変わりません。今後もふるさと納税を利用することに対しては、引き続きメリットがあります。

豪華な返礼品に目を奪われるのではなく、応援したい地域やふるさとに寄付することを重視し、その利用方法を選びたいですね。

参考資料

中本 智恵