3. 「老齢厚生年金」はいくら増えるのか

老齢厚生年金は受給額の上限がないため、定年後に働く期間や受け取る給料によって大幅な増額が可能です。

老齢厚生年金の目安となるのは「報酬比例部分」と呼ばれるものです。この記事では、報酬比例部分を以下の計算式で計算しています。

  • 平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降での厚生年金保険への加入月

これを踏まえて、2003年4月以降で厚生年金保険に22歳から60歳まで加入した場合と、22歳から70歳まで加入した場合の受給金額の目安を比較してみましょう。

22〜60歳まで加入した場合

22〜60歳まで加入した場合

出所:日本年金機構「は行 報酬比例部分」をもとに筆者作成

22〜70歳まで加入した場合

22〜70歳まで加入した場合

出所:日本年金機構「は行 報酬比例部分」をもとに筆者作成

〈22〜60歳まで加入した場合〉

  • 20万円:4万1656円
  • 25万円:5万2070円
  • 30万円:6万2483円
  • 35万円:7万2897円
  • 40万円:8万3311円
  • 45万円:9万3725円
  • 50万円:10万4139円

〈22〜70歳まで加入した場合〉

  • 20万円:5万2618円
  • 25万円:6万5772円
  • 30万円:7万8926円
  • 35万円:9万2081円
  • 40万円:10万5235円
  • 45万円:11万8390円
  • 50万円:13万1544円

70歳まで厚生年金に加入すると、60歳までの加入に比べて月額1〜3万円ほど受給額がアップします。年間12〜36万円が生涯増額されるため、生活にゆとりを持てるでしょう。

一方、65歳以上も働き続ける場合は、毎月安定した収入が受け取れる分、年金受給額が減らされてしまうケースがあります。この注意点について、次章で解説します。