3. 「在職老齢年金の見直し」が検討されている背景

政府は7月17日、65歳以降の就労収入に応じて厚生年金の受給額が減額される「在職老齢年金」制度の見直しを検討する方針を示しました。

この見直しの背景には、現行の在職老齢年金制度が、働くシニア間で年金減額を避けるための「働き控え」を引き起こしていることが要因の一つとして挙げられます。

また、少子化の進行に伴い、多くの業界で人材不足が深刻化しています。

そのため、在職老齢年金の減額基準を緩和することで、高齢者の就労を促進し、労働力確保を図る狙いもあるのでしょう。

とはいえ、在職老齢年金の見直しを行うことで、シニア世代の所得格差の拡大や、若年層との公平性の問題などが課題になってくるとうかがえます。

上記をふまえ政府がどのようにバランスの取れた解決策を打ち出すのか、注目が集まっています。

4. 在職老齢年金制度の撤廃によりシニアはより働きやすくなる?

本記事では、在職老齢年金の仕組みや、見直しが検討されている背景について解説していきました。

現代においてはシニア世代の就労率が増えつつあり、今後もますます増加していくことが予想されます。

政府は「高齢期の就労意欲への影響が指摘されている」と強調し、在職老齢年金制度の見直しの検討を進めており、8月頃に本件に関する詳細な報告書をまとめる予定です。

今後、働くシニアの就労環境がどのように変化するか、最新情報に注目し、適切に対応することが重要です。

参考資料

太田 彩子