5. まとめにかえて

今回は、70歳代世帯の貯蓄事情や、今のシニア世代が受け取る公的年金額に関するデータを眺めてきました。

もちろん、貯蓄や年金額は人それぞれ。また、必要となる老後資金にも世帯差・個人差があります。貯蓄のペースも然り。

年を重ねることで発生する出費には色々なものがあります。医療費がかさんだり、介護費用でまとまったお金が出ていくご家庭も増えるでしょう。また、自炊がおっくうになって宅配のお弁当やスーパーのお惣菜に頼る機会が増え、食費がかさむケースなども考えられます。

預貯金・保険・投資を上手に組み合わせて、資産を守りながら育てていける工夫をしていきたいものですね。長寿時代は健康寿命とともに「資産の寿命」を延ばす視点も求められていきます。家族のライフスタイルに合うお金の育て方を見つけていけると良いですね。

何かと話題の新NISAやiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)といった税制優遇制度の活用を検討するなら、まずは情報収集からスタートしてみましょう。

6. 【ご参考】70歳代・二人以上世帯の貯蓄額(金融資産保有世帯のみ)

  • 100万円未満:7.0%
  • 100~200万円未満:6.3%
  • 200~300万円未満:5.4%
  • 300~400万円未満:5.8%
  • 400~500万円未満:3.1%
  • 500~700万円未満:7.7%
  • 700~1000万円未満:7.2%
  • 1000~1500万円未満:12.7%
  • 1500~2000万円未満:8.2%
  • 2000~3000万円未満:9.1%
  • 3000万円以上:24.3%

<貯蓄額平均と中央値>

  • 平均:2188万円
  • 中央値:1100万円

7. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説

年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説

年金に関する疑問

出所:厚生労働省、日本年金機構などの各種資料をもとにLIMO編集部作成

日本の公的年金制度は複雑で、多くの人がさまざまな疑問を抱えていることでしょう。ここでは、年金に関するよくある質問を取り上げ、その解答を解説します。

7.1 年金の主な種類と仕組みは?

日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。

国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入する基礎年金で、厚生年金は会社員や公務員が加入するものです。
国民年金は一定の保険料を納付し、将来の年金額が決まるのに対し、厚生年金は収入に応じた保険料を支払うため、将来の受給額にも差が出ます。

7.2 「繰下げ受給」とはどんな制度?

年金の受給開始年齢を遅らせることで、受給額が1カ月につき0.7%増える「繰下げ受給」があります。

例えば、65歳から受給を開始する予定を75歳0カ月まで繰り下げると、84%増額となります。これは、長期間働くことができる人や、他の収入源がある人にとって有利な選択肢となります。

7.3 年金を増やす方法はあるのか?

年金を増やす方法はいくつかあります。自営業やフリーランスの方は、国民年金の付加保険料を支払うことで、将来の受給額を増やせます。

また、厚生年金に加入する働き方に切り替えることも一つの方法です。

さらに、老後資金を増やすという意味では、投資信託やiDeCo(個人型確定拠出年金)などを利用して、自身で資産運用を行うのも選択肢です。ただし、運用にはリスクがあることに注意が必要です。

参考資料