5. FPからのアドバイス:まずは老後資金の目標を「見える化」してみましょう!
ここまで、年金のしくみや今のシニア世代が受け取る年金額データを眺めてきました。将来の年金生活をイメージするヒントになったでしょうか。
筆者が日々、皆様からのご相談をお受けする中で、多くの方から「老後資金の不安」の声をお聞きします。
公的年金にプラスアルファの備えを作っていくことで、遠い将来への不安を軽減することに繋げていきたいものですね。
2019年に話題となった「老後2000万円問題」。これをきっかけにリタイヤまでの貯蓄目標を見直した世帯もいるでしょう。
老後に必要となる金額は、世帯のライフスタイルや健康状態などにより千差万別。年金額や貯蓄額にも個人差があるうえ、住まいの形態や家族構成などによってもひと月に必要となるお金は変わります。物価上昇も考慮しておく必要がありそうです。
まずは老後資金の目標を「見える化」してみましょう。「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」では将来の年金見込みが把握できます。何歳ごろまで働き続けるか、定年退職金はどの程度もらえるか、なども書き出してみましょう。
さらに、自宅のリフォーム、旅行、子どもや孫への援助など、大型支出についてもざっくり見通しを立ててみます。
長期的な収支がイメージできたら、次は不足額をどう準備していくかを考えてみましょう。預貯金と並行して、保険商品や資産運用を組み合わせながら、上手に資産を育てていけたら良いですね。
NISAやiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)など、少額からスタートできる非課税制度の活用を検討するのも一案です。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」
- 日本年金機構「国民年金保険料」
- 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします ~年金額は前年度から2.7%の引上げです~ 」
- 日本年金機構「Q.年金から所得税および復興特別所得税が源泉徴収される対象となる人は、どのような人でしょうか。」
入慶田本 朝飛