2024年度に新たに住民税非課税世帯等に該当した世帯に向け、10万円が支給される施策が始まっています。
多くの自治体で7月から申請や支給が開始し、確認書など必要書類の提出期限は9~10月頃に設定されています。
本記事では、住民税非課税世帯への給付金の詳細情報や、住民税非課税世帯の割合を一覧表にして解説しています。
給付スケジュールや住民税非課税世帯の年収目安についても触れているので、参考にしてみてください。
1. 住民税非課税世帯等への10万円給付は7月より支給開始【江戸川区の例】
2024年度に新たに住民税非課税世帯等に該当した世帯に向け、10万円が支給されています。(2023年度に給付金を受け取った方は対象外、定額減税前の金額で判定)
- 世帯全員の2024年度住民税均等割が非課税である世帯
- 世帯全員が2024年度住民税均等割のみ課税者である世帯
- 2024年度住民税均等割のみ課税者と住民税均等割非課税者で構成される世帯
例えば東京都江戸川区の場合、以下のとおり案内しています。
給付に該当すると思われる世帯の状況によって、江戸川区給付金担当より「お知らせ」か「確認書」のいずれかがご自宅に郵送されます。
- 世帯全員が令和5年12月1日以前から江戸川区に住民登録がある世帯へ、6月27日(木曜日)に発送しました。
- 世帯の中に令和5年12月2日以降に江戸川区に転入した方がいる世帯には7月8日(月曜日)に発送します。
<注意事項>
- 世帯1回限りです。他区市町村で実施する同等の給付金の支給を受けた世帯、または当該世帯の世帯主であった方を含む世帯は、対象外です。
- 令和5年度の非課税世帯7万円、均等割のみ課税世帯10万円の支給対象となった世帯(期限までの手続きが未了・辞退も含む)、または当該世帯の世帯主であった方を含む世帯は、対象外です。
- 住民税の申告がお済みでない方で、所得割課税相当(定額減税前)の収入がある方が世帯の中にいる場合は、対象外です。
- 世帯の全員が、住民税均等割が課税されている他の親族等の扶養(注1)を受けている場合は、対象外です。
- 租税条約に基づき、課税を免除された結果、住民税均等割非課税または均等割のみ課税(所得割額が0円)となった方については、対象外です。
- 給付金の支給後、支給要件に該当しないことが判明した場合には、給付金を返還していただきます。
- 当該給付金が支給された後に、修正申告により令和6年度住民税所得割が課税されるようになった場合は、給付金を返還していただきます。
<申請期限>
- 令和6年10月31日(木曜日)消印有効
(注)書類の不備等につきましても期限内に修正をしていただく必要がありますので、ご注意ください。
多くの自治体で9月~10月頃を提出期限と設定いているため、お住まいの自治体の情報を必ずご確認ください。
では、どのような世帯が給付金の対象となるのでしょうか。あらためて「住民税非課税世帯」に該当する要件についてみていきましょう。
2. 「住民税非課税世帯」に該当する所得目安
住民税は、前年の所得をもとに決定されます。所得が0円であれば住民税も0円=非課税となりますが、所得が一定以下の場合にも非課税となります。
住民税非課税世帯になる条件は自治体によって異なりますが、参考までに東京23区内における条件を見てみましょう。
2.1 東京都23区内で「住民税非課税世帯」に該当する条件(所得等)
(1) 生活保護法による生活扶助を受けている方
(2) 障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方
(3) 前年中の合計所得金額が下記の方
- 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
- 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円以下
世帯全員の住民税が非課税の場合、その世帯は「住民税非課税世帯」となり、各種給付金や優遇措置の対象となります。
「同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合」の目安所得は45万円以下ですが、「所得」は「年収」と異なります。
次章で「住民税非課税世帯」に該当する年収の目安も見ていきましょう。
3. 「住民税非課税世帯」に該当する年収目安
住民税非課税世帯に該当する”年収条件”も確認してみましょう。
3.1 住民税非課税世帯に該当する年収(港区のケース)
東京都港区では、住民税非課税世帯に該当する年収として以下の通り提示しています。
【写真1枚目/全2枚】港区における住民税非課税世帯の年収条件。次の写真では「年代別の住民税非課税世帯の割合」を一覧表で比較1/2
- アルバイトやパートの給与収入が100万円以下
- 65歳以上で年金受給のみの人は、年金収入が155万円以下
- 65歳未満で年金受給のみの人は、年金収入が105万円以下
- 不動産収入等所得がある人は、収入から必要経費を引き、合計所得が45万円以下(令和2年度まで35万円以下)
給与収入の場合、年収目安は100万円なのに対し、年金収入の場合は65歳以上で155万円、65歳未満で105万円となっており、年金生活者の方が住民税非課税世帯に該当しやすいといえます。
年金生活者=高齢者の方がより住民税非課税世帯に該当しやすいと考えられますが、参考までに、年代別の住民税非課税世帯の割合も確認してみましょう。
4. 「住民税非課税世帯」高齢者の割合は何パーセント?年代別で比較
続いて、年代別の住民税非課税世帯の割合を見てみましょう。
7月5日に公表された厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」によると、年代別の住民税非課税世帯の割合(全世帯に占める住民税非課税世帯の割合)は以下のとおりとなりました。
- 30歳代:12.0%
- 40歳代:10.0%
- 50歳代:13.6%
- 60歳代:21.7%
- 70歳代:35.9%
- 80歳代:52.5%
- 65歳以上(再掲):38.1%
- 75歳以上(再掲):49.1%
住民税非課税世帯は高齢者が多いことが数値として表れています。
年金生活に入ると現役時代のおよそ半分以下の年収になる世帯も多く、さらに住民税非課税世帯の目安となる「所得45万円」は、年収換算すると給与収入より年金収入のほうが高くなります。
これらの理由により、高齢者ほど住民税非課税に該当しやすくなるのです。
5. 【秋ごろ実施か】政府が低所得者世帯や年金世帯へ「追加の給付金」を検討
岸田総理は記者会見で、「物価の高騰により食費などで苦しんでいる年金受給者や低所得者世帯を支援するため、追加の給付金を検討している」と述べました。この支援は秋ごろに実施される予定であり、今後の詳細な発表が待たれています。
さらに、8月~11月には電気・ガス料金の補助を含む「酷暑乗り切り緊急支援」が実施されます。また、以下の施策も進行中です。
- 学校給食費等の保護者負担の軽減
- 飼料高騰などの影響を受ける酪農経営などの農林水産業、中小企業、医療・介護、保育、学校施設、公衆浴場、地域公共交通、物流、地域観光業等に対する物価高騰への幅広い支援
これらの国や自治体による支援策は多くの関心を集めており、「住民税非課税世帯だけ不公平」という声も一部で聞かれますが、給付があるからといって余裕のある生活を送れるわけではありません。
6. まとめにかえて
今回は最新の住民税非課税世帯への給付金について紹介してきました。
住民税非課税世帯には高齢者が多い傾向がありますが、物価高の影響で今後の生活が苦しくなる世帯も増える可能性があります。
老後の生活を不安に感じた方は、今のうちから老後に向けた資産形成について考えてみましょう。
参考資料
- 東京都主税局「個人住民税(税金の種類)」
- 総務省「個人住民税」
- 首相官邸「岸田内閣総理大臣記者会見」2024年6月21日
- 港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」
- 厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」
- 江戸川区「令和6年度住民税非課税世帯等給付金(令和6年度新たに住民税非課税世帯等となる世帯への給付)」
中本 智恵