来月8月15日は、2ヶ月に1度の年金支給日です。
6月分・7月分の年金がまとめて振り込まれます。現在のシニア世代は、月額どれくらいの年金収入で生活しているのでしょうか。
本記事では、2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、最新の厚生年金と国民年金の受給額を確認していきます。
1. 国民年金と厚生年金の違い
日本の公的制度は、国民年金と厚生年金の2つの年金制度から成り立ちます。
20歳以上60歳未満の日本に住むすべての人が国民年金に加入する義務があり、これに上乗せする形で、一定の要件を満たす人が厚生年金に加入します。
現役時代に加入する年金が「国民年金のみ」か「国民年金+厚生年金」かで老後の年金受給額が大きく異なるため、それぞれの仕組みを理解しておきましょう。
1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律(年度ごとに改定あり)※2024年度は月額1万6980円
- 保険料の納付期間に応じて将来もらえる年金額が決まる※2024年度の満額は月額6万8000円
なお、国民年金の被保険者は第1号~第3号の3つに分類されます。
- 第1号被保険者:20歳以上の学生や自営業者など
- 第2号被保険者:厚生年金にも加入する会社員や公務員など
- 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者
第1号被保険者は自身で国民年金保険料を納付する必要があります。第2号・第3号被保険者の国民年金保険料は、第2号被保険者が加入する厚生年金制度によって負担されます。
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが国民年金に上乗せして加入する
- 毎月の給与や賞与などの報酬に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や保険料の納付額に応じて計算され、国民年金に上乗せして支給される
上記のとおり、国民年金と厚生年金は対象者や保険料・年金額の決定方法が異なります。
では、老後に受給する年金額はどれくらいなのか。次章で年金の平均月額を確認していきましょう。