2024年6月、「経済財政運営と改革の基本方針2024〜賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現〜」 (骨太方針2024)が閣議決定されました。その中で、2040年に名目GDP(国内総生産)約1000兆円が視野に入ることが記されています。
【写真1枚目/全4枚】名目・実質GDPの推移/日本での富裕層の世帯数を次ページで紹介1/4
出所 :厚生労働省「第1-(1)-1図 名目・実質GDPの推移|令和5年版 労働経済の分析 -持続的な賃上げに向けて-」
富裕層から低所得者まで富が行き渡るためには、成長と分配を両立させる経済拡大が必要です。個人と国全体の経済成長が重要といえるでしょう。
この記事では、富裕層と一般人の違いや、一般人がお金持ちになるための方法を解説します。物価高による経済不安を解消するために、ぜひ参考にしてください。
1. 富裕層とは?
富裕層とは、簡単にいうと「お金持ち」のことですが、その基準は一つではありません。一般的には「純金融資産が1億円以上5億円未満の世帯」が、広く認識されています。
ここでの純金融資産とは、預金や株式、債券、投資信託などの金融資産から、住宅ローンなどの負債を引いた額を指します。つまり、不動産や貴金属は含まれず、金融資産のみが対象です。
- 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
- 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円
- 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
- アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
- マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円
資産1億円以上5億円未満の「富裕層」が約2.6%(139万5000世帯)、5億円以上の「超富裕層」が約0.2%(9万世帯)を占めています。
2. 富裕層はどうやって富裕層になった?
富裕層には医師や弁護士、経営者などの一般的に高収入の職業に従事しており、夫婦ともに高収入を得る「パワーカップル」や、親から資産を受け継いだ人も含まれます。また、アベノミクスなどの景気のよい時期に投資で急成長した人々もいます。
富裕層はぜいたくな生活をしているイメージがありますが、実際にはシンプルな生活を好む傾向にあります。高級な住居や車などを所有しつつも、教育や健康に対する投資を重視し、子どもの教育資金も贈与税を避けるかたちで賢く使っています。
3. 都道府県別・富裕層が多く住む地域はどこ?
総務省の「2019年全国会計構造調査」の結果から、富裕層が多く住む地域の特徴がわかります。
総世帯の家計資産総額を都道府県別にみてみましょう。
東京都が4701万円と最も多く、次いで神奈川県・愛知県・埼玉県・奈良県が続きます。
もっとも少ないのは北海道で1431万6000円という結果になりました。
土地や不動産などの価値の高い地域は、富裕層の割合が高い傾向があります。東京都は日本の経済中心地であり、職業上の利便性が高いことが特徴です。
また、富裕層が住む地域には、高級住宅街や充実した商業施設、優れた医療機関が整っており、生活の質の高さもうかがえます。さらに、充実した教育機関や治安のよさも、富裕層を引きつける要因となっているのかもしれません。
4. 富裕層と一般人ではどんな違いがあるのか
富裕層と一般人の違いは、所得額や財産の大きさだけではありません。
富裕層は、お金と時間が有限であることを理解し、有効に活用する考え方と技術を持っています。ここでは、一般人との決定的な違いを解説します。
4.1 富裕層は費用対効果を意識する
富裕層は日常生活において「ROI(費用対効果)」を意識し、投資に対して得られる対価を重視します。つまり、消費する商品やサービスが、その価値に見合う体験や価値を提供しているかを考えています。
「お金持ちはケチ」と言われがちですが、実際は「価値がある」と判断したものには、惜しみなく投資をします。たとえば、30万円のバッグを5つ購入する代わりに、150万円のバッグ1つを購入し、「リセールバリュー(再販価値)」を重視しています。
4.2 投資の視点から見た富裕層と一般人
富裕層と一般人の投資の視点には、顕著な違いがあります。富裕層は、単なる消費者ではなく、投資家の視点で物事を見ています。
新商品が登場したとき、一般人は「流行っているか」や「買ってみたい」と考えますが、富裕層は「なぜ売れているのか」「企業の意図は何か」「今後の展開はどうか」を分析します。この視点は、経営者にも共通しており、ビジネスの大局を理解し未来の動向を見据えることが重要です。
4.3 富裕層だけが受けられる特別なサービス
富裕層は、一般人が利用する金融商品とは異なる特別なサービスを受けています。
例えば、富裕層向けサービスとしてプライベートバンクがあります。プライベートバンクとは主に富裕層や高所得者向けに特化した銀行業務を行う部門や機関です。
プライベートバンクでは個別のニーズに応じたオーダーメイドの資産運用や管理サービスを提供し、高度な資産管理や投資アドバイスを行っています。
最低預入金額が数億円以上であるため、富裕層だけの特別なサービスといえるでしょう。
5. 一般人がお金持ちになる3つの方法
一般人が富裕層を目指すには、計画的かつ戦略的なアプローチが必要です。以下に3つの方法を紹介します。
5.1 高所得者を目指すためのキャリア戦略
高所得者を目指すには、専門スキルの深耕や戦略的なネットワーキング、成果重視の業務遂行、リーダーシップの発揮が重要です。富裕層は長期的なキャリアプランを持ち、自己ブランディングに努めています。
一般人は短期的な目標に集中しがちですが、成功するためにはこれらの戦略を意識的に実行し、自己成長を図ることが必要です。
5.2 資産形成のための投資戦略
富裕層が実践する投資戦略は、シンプルでありながら非常に有効的です。
富裕層の投資戦略4/4
出所:筆者作成
一般人は、リスクを恐れて投資を避けがちですが、富裕層のように分散投資や複利効果を活用することで、より大きな資産形成につながります。
5.3 ライフスタイル改善のための具体策
一般人が富裕層になるためには、ライフスタイルの改善が求められます。まず、支出の見直しを行い、家計簿アプリなどを使用して収支を管理します。節約した資金は貯蓄や投資に回します。
また、副業やフリーランスの仕事を始め、スキルアップや資格取得を通じて収入を増やすことも1つの方法です。キャリアの幅を広げるために、業界のイベントやオンラインでのネットワーキングにも参加しましょう。
6. 富裕層を理解することから始めよう
富裕層になるための第一歩は、富裕層そのものを理解することです。資産家や起業家、のし上がり型など、富裕層のさまざまなタイプやその背景の把握が重要です。
また、現在の人材市場は変化が激しく、これに対応するためには優れたキャリア戦略が必要です。適切なキャリア戦略を立てることで、キャリア設計の自由度が高まり、より有利なポジションの確保が期待できます。
参考資料
- 内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2024について」
- 厚生労働省「第1-(1)-1図 名目・実質GDPの推移|令和5年版 労働経済の分析 -持続的な賃上げに向けて-」
- 株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)」
- 総務省「2019年全国家計構造調査 所得に関する結果及び家計資産・負債に関する結果 結果の概要」
- 金融庁「国民の安定的な資産形成の支援に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針」
西嶋 治美