6. いまの働き方は、老後の年金額を大きく左右します

今回は、60歳から90歳以上の各年齢の「平均年金月額」データを見ていきました。

年金額は物価や賃金を考慮して年度ごとに見直しが行われます。また、今の年金水準がこの先もずっと続くとは限りません。とはいえ、今の働き方や収入が、老後の年金を左右する要素となる点は変わらないでしょう。

収入を上げるためにスキルを磨く、転職してキャリアアップを図るなど、仕事面からのアプローチを図るのも一案かもしれません。

また、冒頭でも触れた「銀行に預けていているだけではお金が増えない」というお悩みには、資産運用でお金を育てる仕組みを作っていくのもよいでしょう。

NISAやiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)などの税制優遇制度の活用を検討してみるのも手ですね。預貯金に加え、保険や投資を上手に組み合わせながら、お金を守りながら大きく育てていけたらうれしいですね。

6.1 【ご参考】厚生年金の平均年金月額(全年齢)

厚生年金の平均額(全年齢)

厚生年金の平均額(全年齢)

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万4878円

※国民年金部分を含む

6.2 【ご参考】国民年金の受給額(全年齢)

国民年金の平均額(全年齢)

国民年金の平均額(全年齢)

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
  • 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万4426円

7. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説

年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説

年金に関する疑問

出所:厚生労働省、日本年金機構などの各種資料をもとにLIMO編集部作成

日本の公的年金制度は複雑で、多くの人がさまざまな疑問を抱えていることでしょう。ここでは、年金に関するよくある質問を取り上げ、その解答を解説します。

7.1 年金の主な種類と仕組みは?

日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。

国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入する基礎年金で、厚生年金は会社員や公務員が加入するものです。
国民年金は一定の保険料を納付し、将来の年金額が決まるのに対し、厚生年金は収入に応じた保険料を支払うため、将来の受給額にも差が出ます。

7.2 「繰下げ受給」とはどんな制度?

年金の受給開始年齢を遅らせることで、受給額が1カ月につき0.7%増える「繰下げ受給」があります。

例えば、65歳から受給を開始する予定を75歳0カ月まで繰り下げると、84%増額となります。これは、長期間働くことができる人や、他の収入源がある人にとって有利な選択肢となります。

7.3 年金を増やす方法はあるのか?

年金を増やす方法はいくつかあります。自営業やフリーランスの方は、国民年金の付加保険料を支払うことで、将来の受給額を増やせます。

また、厚生年金に加入する働き方に切り替えることも一つの方法です。

さらに、老後資金を増やすという意味では、投資信託やiDeCo(個人型確定拠出年金)などを利用して、自身で資産運用を行うのも選択肢です。ただし、運用にはリスクがあることに注意が必要です。

参考資料

山本 大樹