2024年11月5日は、アメリカ大統領選挙です。7月はトランプ氏の暗殺未遂事件やバイデン大統領の選挙戦撤退など、状況が大きく変化しました。
現在は「ハリス副大統領vs.トランプ氏」の構図となっており、今後も大統領候補者の一挙手一投足が選挙に大きな影響を与えそうです。
アメリカ大統領選挙の影響を激しく受けてナーバスになっているのが、為替相場や米国市場です。市場ではすでにトランプ氏の再選を見込んでの売りが加速する「トランプ・トレード」なる現象まで起こっています。今後も、ドル円相場や米国市場の動きは忙しないことが予想されます。
特に、今年から始まった新NISAで米国に投資しているという人は多いでしょう。もしトランプ氏が当選したら、米国や世界の経済、そして日本の経済はどう変化するのでしょうか。
この記事では、いわゆる「もしトラ」に備えるべく、今後の展望や新NISAへの影響、私たちがすべき対策について解説します。
1. トランプ大統領が当選したら世界と日本はどうなるのか
トランプ氏の掲げる公約は、一貫して「アメリカファースト」を掲げています。トランプ氏の主な公約内容は、以下のとおりです。
〈トランプ氏の公約(一部)〉
- 「普遍的基本関税」の導入により労働者を守る
- 中国の最恵国待遇を取り消し、中国依存を脱却する
- 貿易赤字の解消
- エネルギー産業の各種規制の撤廃と低コストエネルギーの供給
- ウクライナ戦争の平和的終結
- 自動車産業の再生
- 減税によるインフレの抑制
トランプ氏の基本的なスタンスは、2016年〜2020年の大統領在任時と大きな変化はありません。米国第一主義を掲げ、減税によるインフレの抑制、産業再生や関税による雇用の保護といった政策を展開するとしています。
トランプ氏の公約に基づく株価や為替の予想は、専門家によって異なる傾向です。関税により米国経済が冷え込み「株安・ドル安」になると予想する人もいれば、減税によってインフレが抑制されるどころか加速し「株高・ドル高」が続くと予想する人もいます。
トランプ氏の影響は、日本にもおよびます。関税により輸出額が減れば「円高・株安」の未来、アメリカのインフレが収まらなければ「円安・株高」の未来が待ち受けているというのが、大方の予想です。
「円高・株安」に転べば、投資家や市場関係者は資産価値の減少を嘆くこととなります。一方「円安・株高」に転べば、株価は高い水準を維持する可能性がありますが、物価や税・社会保険料の高騰が懸念されるでしょう。