2024年6月28日、帝国データバンクが発表した「定期調査:「食品主要195社」価格改定動向調査―2024年7月」によると、7月の値上げは411品目。3年連続で1万品目もの値上げが行われていることがわかりました。

モノやサービスの値段が上がることでお金の価値は下がってしまいます。お金の価値を下げないためには、物価上昇と同率でお金を増やす必要があります。

銀行の定期に預金するだけで年5~7%の利息が付く時代がありましたが、現在は年0.1%以下というところも。こうした現状を踏まえると、お金の価値を下げない工夫として資産運用が選択肢としてあがってきます。

2024年1月には、投資で発生した利益が非課税となるNISA(少額非課税制度)がリニューアルされました。

そこで本記事では、新NISAで積立投資を行った場合、10年間で資産をどれくらい増やすことができるのかシミュレーションしていきます。

将来に向けた資産形成の参考にご覧ください。

1. 二人以上世帯【30歳代~60歳代】平均貯蓄額と中央値はいくら?

シミュレーションの前に、同年代の人たちの貯蓄額がどれくらいあるかを覗いてみましょう。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、30歳代~60歳代・二人以上世帯の貯蓄額(金融資産を保有していない世帯を含む)は以下のとおりです。

※貯蓄額(金融資産保有額)には預貯金のほか株式や投資信託、債券などの金融商品残高も含まれます。

【写真3枚】1枚目/《一覧表》30歳代~60歳代の平均貯蓄額・中央値、2枚目以降で10年間で1000万円つくる積立投資シミュレーション結果を見る

《一覧表》30歳代~60歳代の平均貯蓄額・中央値

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」をもとにLIMO編集部作成

1.1 平均貯蓄額と中央値

  • 30歳代:平均貯蓄額601万円・中央値150万円
  • 40歳代:平均貯蓄額889万円・中央値220万円
  • 50歳代:平均貯蓄額1147万円・中央値300万円
  • 60歳代:平均貯蓄額2026万円・中央値700万円

平均貯蓄額と中央値をご紹介していますが、より実態を反映していると考えられているのは中央値です。

中央値で見ると、働き盛りの30歳代~50歳代にかけて150万円~300万円。住宅ローンや教育費などを抱え、思うように貯蓄が進まない世帯もあるかもしれません。

しかし、50歳代前後にはご自身の「老後」にも目を向けたいところですね。

さて、次章では、新NISA制度を活用して積立投資10年間で資産をいくらつくれるかシミュレーションを行います。