3. 夫婦2人での老後生活にはいくらかかる?
では、夫婦2人で老後を暮らしていくためには、毎月どれくらいの生活費がかかるのでしょうか。
生命保険文化センターが行った意識調査では、夫婦2人で老後生活を送る上で必要な最低日常生活費は月額「平均23.2万円」、ゆとりある老後生活費は月額「平均37.9万円」でした。
同調査より、ゆとりの上乗せ部分である平均14.7万円の詳細を見ていきましょう。
老後のゆとりのための上乗せ額の使途(複数回答)
- 旅行やレジャー:60.0%
- 日常生活費の充実:48.6%
- 趣味や教養:48.3%
- 身内とのつきあい:46.2%
- 耐久消費財の買い替え:31.7%
- 子どもや孫への資金援助:19.4%
- 隣人や友人との付き合い:12.5%
- とりあえず貯蓄:3.9%
- その他:0.3%
- わからない:0.5%
出所:公益財団法人 生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/2022(令和4年度)
旅行やレジャーと聞くと「行かなければよい」と思う方もいるかもしれませんが、親しい人との付き合いや耐久消費財の買い替えといった支出は、多くの人が必要と感じるのではないでしょうか。
こういった豊かな生活を送るにはもちろん、最低限の生活でよいと思ったとしても、長い老後を安心して過ごすために年金以外の貯蓄は必須であると言えそうです。
4. まとめ
今回は、年金の平均受給額や、年金を月額20万円受け取れる人の現役時代の平均年収を見てきました。
1人で厚生年金を月20万円受け取ることは難しいものの、夫婦2人であれば十分実現可能な水準ということがわかりました。
とはいえ、夫婦2人で老後生活を送る上で必要な最低日常生活費は月額「平均23.2万円」、ゆとりある老後生活費は月額「平均37.9万円」です。
これを踏まえると、厚生年金の月額が「20万円」では余裕があるとは言い切れません。
理想のセカンドライフを実現するために、計画を立て貯蓄する、資産運用を活用するなど、老後に向けた準備を少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「老齢年金ガイド 令和5年度版」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」
LIMO編集部